
以前マッサージ店や鍼灸院で肩甲骨のあたりを押してもらったら、背中のこりやだるさが一気に楽になった。
そんな経験はありませんか?
それには背中にあるツボが関係しているかもしれません。
正確にツボの位置を捉えて自分で刺激するだけでも、背中や肩のこり、腰痛などがスッキリと楽になります。
この記事では背中にあるツボを自分で簡単に押すコツや、ツボの位置と効果を解説します。
さらには背中のツボ押しにおすすめのグッズや、マッサージ時の注意点、なぜ背中のツボ押しが不調に効くのかも紹介します。
こりや疲れ、その他の不調を解消したい方、ツボ押しのやり方を知りたい方はぜひ参考にしてください。
※本記事は専門的な知識をもとにしていますが、あくまで初心者向けの内容になっています。
目次
1.超簡単!初心者向け・背中のツボを自分で刺激するコツ
「ツボを気持ちよく押して背中のコリを解消したい…」
そんなとき、どうにか背中に腕を回して的確にツボを刺激するのはとても難しいですよね。
そこで、不器用な方でも簡単にマネできる、自分で背中のツボをうまく刺激するコツをご紹介します。
1-1.ツボ押し用グッズで縦一直線にグリグリするだけ!
自分で簡単に背中のツボを押したいときは、ツボ押し用のグッズを片手に持ち、下記イラストで示している5本線を縦にグリグリと刺激しましょう。
とても大雑把な方法ですが、実はこれだけで背中にあるほとんどのツボを刺激できます。
なぜなら背中のツボの大多数が、イラストで示した5本線上に縦にズラーッと並んでいるからです。
指で押す心地よさを再現するときは、グッズを一箇所に当てたらそのまま3~5秒かけて少しずつ力を入れ、また3~5秒かけて力を抜きます。これを縦のラインに沿って、少しずつ移動させながらおこないます。
こりが気になる箇所や、不調に応じた特定のツボを刺激するときは、特に念入りに、同じ箇所で3回これを繰り返してください。
1-2.おすすめの背中ツボ押しグッズ4選(セルフケア編)
続いて、セルフケアでの背中のツボ押しにおすすめの商品を4つ紹介します。
選んだポイントは
- あくまで足裏ではなく背中のツボ押しに使える
- Amazonのレビューが20件以上
- Amazonの口コミ評価が★3.5以上
となっており、背中のツボ押し向けグッズの中でも、特に人気の商品を厳選しました。
ちなみに、直接ツボを押すわけではなく、背中の皮膚に貼るだけで指圧効果が期待できるシールタイプのグッズも販売されています。気になる方は6.おすすめの背中ツボ押しグッズ(セルフケア以外)に飛んでチェックしてみてください。
①鬼の恩返し|La-VIE(ラヴィ)|1,273円(税込)
出典:Amazon
グリップ部分が掴みやすく、背中上部の指が届きにくいツボや肩甲骨周辺のツラいコリを、グーッと思いっきり押せるアイテム。刺激はやや強め。背中はもちろん、肩や腰、足裏にも使い回せるため、コスパが良いのも魅力。
Amazon口コミ数 132件
Amazon評価 ★4.0/5
②ツボきーく|ユニティーベル|2,170円(税込)
出典:Amazon
刺激の心地良さや耐久性、利便性にこだわって製作されたドイツ生まれのツボ押しグッズ。アームが多少しなる設計なので、「鬼の恩返し」がハードに感じる方にはこちらがおすすめ。
「昔からこれじゃなきゃダメ!」という愛用者も多い逸品。商品だけでなく、包装されている箱までレトロでお洒落なデザインなのもポイントのひとつ。
Amazon口コミ数 213件
Amazon評価 ★4.1/5
③ルルド ハンディマッサージャー リラミンゴ ゴールド AX-KXL3200gd|アテックス|3,900円(税込)
出典:Amazon
体に押し当てるとブルブルと振動し、離すと停止する電動マッサージャー。背中や肩、腰など手で届きにくい部分も楽にケアでき、自分でグリグリと刺激する手間が省けるのがポイント。先端部分はシリコン製なので、当てた部分が痛くならずやさしい刺激を楽しめる。防水加工なので入浴中も使用OK。
Amazon口コミ数 72件
Amazon評価 ★3.5/5
④グイ押しバックストレッチャー|シェモア|2,274円(税込)
出典:Amazon
特別編として紹介したいのが、手を使わずに背中を刺激できるアイテム。なんとグッズの上に仰向けに寝るだけ!
突起部分が背中全体を心地良く刺激してくれて、乗る位置を自分で調整すれば、気になる箇所に集中的にアプローチが可能。
凹凸が大きいぶん正確なツボ押しには不向きなものの、とにかく楽に背中をゴリゴリしたい方にはぴったりなアイテム。
Amazon口コミ数 481件
Amazon評価 ★3.9/5
※価格などの商品情報はすべて2020年11月4日時点のものです。
2.背中のツボを自分で押すときの注意点
自分で背中のツボを押すときに心がけたいのは、一言でいえば「とにかく無理をしない」こと。
例えば、体調が悪いときや背中が痛いときにツボ押しをしたら症状が悪化する可能性があります。また、こりや不調を改善したい一心で力任せに背中を刺激してしまうと、皮膚表面に炎症を起こしたり、肋骨に負担が掛かってしまったりする恐れもあります。
そのため、自分自身で背中のツボ押しをおこなう場合は、
- 体調が悪いときは避ける(発熱、疲労困憊、背部に痛みや腫れ、炎症がある、骨折、怪我があるときなど)
- タイミングを考える(満腹時、飲酒後、激しい運動直後はNG)
- 特に硬いグッズを使用する場合は力加減に注意し、痛みを感じるほど強く刺激しない
この3点を守って体に負担を掛けないようにしましょう。
3.ココだけ押せばOK!お悩み別・背中の代表的なツボ
体の不調や悩み別に、効果的な背中のツボをすべてピックアップしました。
1~2番目に紹介する代表的なツボを押してみて、物足りなく感じる場合は様子を見ながら他のツボも追加してください。
3-1.背中のこり
背中のこりが気になる場合は、以下のツボを押しましょう。
<まずはココ!>
8.天宗(てんそう)…肩甲骨の中央のやや窪んだ部分にあるツボ。左右に1箇所ずつ同じ位置にある。肩を内外に回す役目を持つ「棘下筋(きょくかきん)」の中にあり、ここを押すことで肩や背中の筋肉の張りを和らげる効果が期待できる。「天」は上部、「宗」は中心を表し、肩甲骨中央にあることから天宗と名付けられた。
43.膏肓(こうこう)…肩甲骨内側のキワ(背骨の真上から指4本分外側)にあり、高さは肩甲骨のちょうど真ん中あたり。左右に1箇所ずつ同じ位置にある。肩甲骨の内側にあることから、肩や背中の筋肉が凝りやすい場所で、押すとゴリゴリする。「膏」は心臓下部、「肓」は心臓下部から横隔膜を指し、病に罹ると治療困難なほど体の奥深い部分という意味。
<ココもおすすめ>
7.曲垣(きょくえん)
10.陶道(とうどう)
15.筋縮(きんしゅく)
16.中枢(ちゅうすう)
17.脊中(せきちゅう)
18.懸枢(けんすう)
22.風門(ふうもん)
41.附分(ふぶん)
42.魄戸(はくこ)
45.譩譆(いき)
46.膈関(かくかん)
49.意舎(いしゃ)
50.胃倉(いそう)
3-2.肩こり
ツラい肩こりには、以下のツボが効果的です。
<まずはココ!>
1.肩井(けんせい)…首の付け根と両肩の端を結んだ点で、左右1箇所ずつ同じ位置にある。押すとジーンと鈍痛を感じやすい。下に動脈があり、特に肩こりや、肩こりによる血行不良に効果的。「肩」はそのまま肩を、「井」は深いくぼみを指し、ツボの奥に深い空洞があるという考えが由来。
3.肩外兪(けんがいゆ)…肩甲骨の内側の上端からやや上にあるくぼみ。左右1箇所ずつ同じ位置にある。猫背でのPC作業など、不良姿勢による肩こりを感じたとき、過度に負荷が掛かっている肩甲挙筋(けんこうきょきん)にあるこのツボを押すと肩こりが楽になる。肩中兪と比較し肩甲骨の外にあることで肩外兪と名付けられた。
<ココもおすすめ>
2.肩中兪(けんちゅうゆ)…第7頸椎棘突起から指3本分外側
4.天髎(てんりょう)…肩甲骨の最上部の盛り上がった部分のすぐ上
5.秉風(へいふう)…肩甲骨上際の真ん中の凹み
6.臑兪(じゅゆ)…脇からやや斜め上に肩の骨とぶつかる部分
7.曲垣(きょくえん)…肩甲骨内側の曲がり角のあたり
8.天宗(てんそう)…肩甲骨の中央
9.肩貞(けんてい)…脇から約2cm上
21.大杼(だいじょ)
41.附分(ふぶん)
42.魄戸(はくこ)
43.膏肓(こうこう)
45.譩譆(いき)
3-3.腰痛
腰が痛い、もしくは腰が重たいときは、以下のツボが効果的です。
<まずはココ!>
33.腎兪(じんゆ)…最も細いウエスト部分(へその高さ)の背骨から、指2本分外側。左右1箇所ずつ同じ位置にある。東洋医学では「五臓六腑」の中でも、腎臓は特に生まれ持ったエネルギーが溜め込まれると考えられている。腎兪は「万能のツボ」とも呼ばれ、経絡を通じて腎臓に働きかけ、腰痛をはじめ、全身のさまざまな不調を改善する。「腎」の気を「兪」運ぶ、が名前の由来。
52.志室(ししつ)…最も細いウエスト部分(へその高さ)の背骨から、指4本分外側。左右1箇所ずつ同じ位置にある。腎兪のすぐ近くにあり、腎兪の働きを支え補うツボとされている。腰痛対策として腎兪とセットで覚えておくと便利。「志」を「室」溜める場所、という意味をもつ。
<ココもおすすめ>
15.筋縮(きんしゅく)
16.中枢(ちゅうすう)
17.脊中(せきちゅう)
18.懸枢(けんすう)
19.命門(めいもん)
20.腰陽関(こしようかん)
32.三焦兪(さんしょうゆ)
34.気海兪(きかいゆ)
35.大腸兪(だいちょうゆ)
36.関元兪(かんげんゆ)
37.小腸兪(しょうちょうゆ)
38.膀胱兪(ぼうこうゆ)
39.中膂兪(ちゅうりょゆ)
40.白環兪(はくかんゆ)
53.上髎(じょうりょう)
54.次髎(じりょう)
55.中髎(ちゅうりょう)
56.腰兪(ようゆ)
57.下髎(げりょう)
3-4.眼精疲労
眼精疲労への効果が期待できるツボを紹介します。
<まずはココ!>
28.肝兪(かんゆ)…肩甲骨の下端から指2本分下に下がり、背骨から指2本分外側にあるツボ。左右1箇所ずつ同じ位置にある。東洋医学では目と肝臓は密接に関係しており、肝臓に血液を送れば目が健康的になると考えられている。「肝」の気を「兪」運ぶ、が名前の由来。
<ココもおすすめ>
1.肩井(けんせい)
2.肩中兪(けんちゅうゆ)
3.肩外兪(けんがいゆ)
3-5.体のだるさ・疲れ
全身のだるさ、疲労困憊の状態に効果的な背中のツボを紹介します。
<まずはココ!>
33.腎兪(じんゆ)…最も細いウエスト部分(へその高さ)の背骨から、指2本分外側。左右1箇所ずつ同じ位置にある。東洋医学では「五臓六腑」の中でも、腎臓は特に生まれ持ったエネルギーが溜め込まれると考えられている。腎兪は「万能のツボ」とも呼ばれ、経絡を通じて腎臓に働きかけ、腎臓や膀胱、生殖器などの働きを助けることで生命力を高め、腰痛以外にも全身の疲労を回復させるツボとされている。「腎」の気を「兪」運ぶ、が名前の由来。
<ココもおすすめ>
21.大杼(だいじょ)
24.厥陰兪(けついんゆ)
25.心兪(しんゆ)
32.三焦兪(さんしょうゆ)
4.さらに深く理解したい方に!背中のツボの専門知識
3章までは鍼灸師や整体師向けではなく、ほとんど専門知識のない一般人に向けて、背中のツボを簡単に紹介してきました。
本章ではやや難しい専門知識を用いて、より深くより正確に、背中のツボの位置の取り方や、背中にある57のツボの効果について触れていきます。
ご興味のある方だけ読み進めてください。
4-1.背中のツボの位置を正確に捉える方法
背中のツボを正確に捉えるには、以下2つの工程が必要です。
ステップ1では、ツボの横の位置を確認します。
1-1.で紹介した素人向けのざっくりしたツボの探し方を、より正確に説明していきます。
背骨のライン(「陶道」の列)を0としたとき、背骨から左右に1寸5分(指2本分/4.5cm)外側(「大杼」の列)に2列、そして背骨から左右に3寸(指4本分/9cm)外側(「附分」の列)にもう2列、計5本の縦線を背中に引きます。
基本的に背中のツボは、この5本線のうち、どれか1本の上にあります。
より具体的にイメージできるよう、以下の人体画像もご覧ください。
続いてステップ2では、ツボの縦の位置を確認します。
事前準備として、まずは以下の写真を見ながら自分の首裏を触り、首を前に曲げたときに最も出っ張る骨(専門用語で「第7頸椎棘突起:だいななけいついきょくとっき」または「第7頸椎:だいななけいつい」と呼びます)の位置を確認しておきましょう。
基本的に背中のツボは、この第7頸椎棘突起を起点にして縦の位置(背中に対してどの高さにあるか)を探します。
さらに、下の画像を参考にして、首からお尻に向かって、頸椎1~7番、胸椎1~12番、腰椎1~5番、仙椎1~5番という順に、骨が1個ずつ縦に並んでいると頭に入れてください。
そして第7頸椎棘突起から数え始めたとき、ツボがどの骨とどの骨の間にあるのか確認します。
ステップ1、ステップ2を総合すると、例えば背骨真上の列で第1胸椎と第2胸椎の間にあるのが「陶道(とうどう)」、背骨から指2本分(4.5cm)外側で第1仙椎と第2仙椎の間にあるのが「小腸兪(しょうちょうゆ)」、という感じです。
これが背中のツボを正確に捉える方法です。
※ちなみに背中上部にある肩付近のツボの位置はこの方法で見つけられないため、4-2.背中にある57のツボの位置と期待できる効果で1つずつ正確な位置を解説します。
4-2.背中にある57のツボの位置と期待できる効果
背中のツボの位置を正確に捉える方法がわかったら、実際に背中のツボを具体的に見ていきましょう。
ここでは背中にある57のツボの名称、位置、期待できる効果を解説します。
<背中上部(肩付近)のツボの位置と期待できる効果>
ツボの名称 | 位置 | 期待できる効果 |
1.肩井(けんせい) | 第7頸椎棘突起と肩先を結んだ中間 | 肩こり・頭痛・眼精疲労・首から腕の痛み |
2.肩中兪(けんちゅうゆ) | 第7頸椎棘突起から指3本分外側 | 肩こり・頭痛・咳・喘息・むちうち・眼精疲労 |
3.肩外兪(けんがいゆ) | 肩甲骨の内側の上端からやや上にある窪み | 肩こり・眼精疲労・むちうち・腕の上下運動 |
4.天髎(てんりょう) | 肩甲骨の最上部の盛り上がった部分のすぐ上 | 肩こり・首の痛み・五十肩・むちうち |
5.秉風(へいふう) | 肩甲骨上際の真ん中の凹み | 肩こり・五十肩・風邪・手足のしびれ |
6.臑兪(じゅゆ) | 脇からやや斜め上に肩の骨とぶつかる部分 | 五十肩・肩こり・腕の痛み・手足のしびれ |
7.曲垣(きょくえん) | 肩甲骨内側の曲がり角のあたり | 肩こり・背中のこり・肩関節の炎症 |
8.天宗(てんそう) | 肩甲骨の中央 | 五十肩・背中や肩のこり・頭痛・顔のむくみ |
9.肩貞(けんてい) | 脇から約2cm上 | 五十肩・肩こり・腕の上下運動・頭痛・首こり |
<背中上~下部のツボの位置と期待できる効果>
背骨真上の列
ツボの名称 | 位置 | 期待できる効果 |
10.陶道(とうどう) | 第7頸椎棘突起の真下、第1胸椎と第2胸椎の間 | 頭痛・風邪・めまい・背中の痛み |
11.身柱(しんちゅう) | 第7頸椎棘突起の真下、第3胸椎と第4胸椎の間 | 咳・喘息・子どもの神経症状・集中力の向上 |
12.神道(しんどう) | 第7頸椎棘突起の真下、第5胸椎と第6胸椎の間 | 不眠症・神経衰弱・ストレス |
13.霊台(れいだい) | 第7頸椎棘突起の真下、第6胸椎と第7胸椎の間 | 咳・喘息・胸痛 |
14.至陽(しよう) | 第7頸椎棘突起の真下、第7胸椎と第8胸椎の間 | 胃痛・胃酸過多・食欲不振・消化不良・肋間神経痛 |
15.筋縮(きんしゅく) | 第7頸椎棘突起の真下、第9胸椎と第10胸椎の間 | 腰痛・背中の痛み・胃痛・腰が重い |
16.中枢(ちゅうすう) | 第7頸椎棘突起の真下、第10胸椎と第11胸椎の間 | 胃痛・食欲不振・腰痛・背中の痛み |
17.脊中(せきちゅう) | 第7頸椎棘突起の真下、第11胸椎と第12胸椎の間 | 食欲不振・下痢・痔・小児の消化不良・腰痛・背中の痛み |
18.懸枢(けんすう) | 第7頸椎棘突起の真下、第12胸椎と第1腰椎の間 | 腰痛・消化不良・下痢・背中の痛み・お腹の張り |
19.命門(めいもん) | 第7頸椎棘突起の真下、第2腰椎と第3腰椎の間 | 虚弱体質・性欲減退・ED・足腰の冷えや重だるさ・腹痛 |
20.腰陽関(こしようかん) | 第7頸椎棘突起の真下、第4腰椎と第5腰椎の間 | 腰痛・足腰の冷え・生理痛・坐骨神経痛・ED・遺尿 |
背骨から左右に1寸5分(指2本分/4.5cm)の列
ツボの名称 | 位置 | 期待できる効果 |
21.大杼(だいじょ) | 第1胸椎と第2胸椎の間から指2本分外側 | 肩こり・頭痛・倦怠感・腹痛 |
22.風門(ふうもん) | 第2胸椎と第3胸椎の間から指2本分外側 | 背中のこり・腰痛・頭痛・めまい |
23.肺兪(はいゆ) | 第3胸椎と第4胸椎の間から指2本分外側 | 咳・喘息・喉の痛み・息切れ・動悸 |
24.厥陰兪(けついんゆ) | 第4胸椎と第5胸椎の間から指2本分外側 | 咳・嘔吐・むかつき・ストレス・疲労 |
25.心兪(しんゆ) | 第5胸椎と第6胸椎の間から指2本分外側 | 不眠・狭心症・精神不安定・動悸・イライラ |
26.督兪(とくゆ) | 第6胸椎と第7胸椎の間から指2本分外側 | 腹痛・お腹の張り・胸痛 |
27.膈兪(かくゆ) | 第7胸椎と第8胸椎の間から指2本分外側 | 胃痛・胃酸過多・胸痛・嘔吐 |
28.肝兪(かんゆ) | 第9胸椎と第10胸椎の間から指2本分外側 | 眼精疲労・目の充血・めまい・肝機能障害 |
29.胆兪(たんゆ) | 第10胸椎と第11胸椎の間から指2本分外側 | 口内の苦み・舌の乾き・喉の痛み・嘔吐 |
30.脾兪(ひゆ) | 第11胸椎と第12胸椎の間から指2本分外側 | 下痢・腹痛・お腹の張り・嘔吐・むくみ |
31.胃兪(いゆ) | 第12胸椎と第1腰椎の間から指2本分外側 | 胃痛・お腹の張り・消化不良・吐き気・嘔吐 |
32.三焦兪(さんしょうゆ) | 第1腰椎と第2腰椎の間から指2本分外側 | 血液循環・冷え・だるさ・腰痛・腹痛・下痢・便秘・消化不良 |
33.腎兪(じんゆ) | 第2腰椎と第3腰椎の間から指2本分外側 | 腰痛・生理不順・生理痛・おりもの・冷え・疲労 |
34.気海兪(きかいゆ) | 第3腰椎と第4腰椎の間から指2本分外側 | 腰痛・冷え性・生理痛・下痢 |
35.大腸兪(だいちょうゆ) | 第4腰椎と第5腰椎の間から指2本分外側 | 便秘・下痢・腹痛・腰痛・お腹がゴロゴロ鳴る |
36.関元兪(かんげんゆ) | 第5腰椎のすぐ下から指2本分外側 | 下痢・腰痛・冷え・生理痛 |
37.小腸兪(しょうちょうゆ) | 第1仙椎と第2仙椎の間から指2本分外側 | 便秘・下痢・腹痛・腰痛・生理痛 |
38.膀胱兪(ぼうこうゆ) | 第2仙椎と第3仙椎の間から指2本分外側 | 膀胱炎・頻尿・残尿・腰痛・便秘・下痢・坐骨神経痛 |
39.中膂兪(ちゅうりょゆ) | 第3仙椎と第4仙椎の間から指2本分外側 | 腰痛・腹痛・坐骨神経痛・膀胱炎・頻尿・残尿 |
40.白環兪(はくかんゆ) | 第4仙椎と第5仙椎の間から指2本分外側 | 腰痛・痔・生理不順・おりもの・便秘・下痢 |
背骨から左右に3寸(指4本分/9cm)の列
ツボの名称 | 位置 | 期待できる効果 |
41.附分(ふぶん) | 第2胸椎と第3胸椎の間から指4本分外側 | 肩こり・首こり・風邪・肩や腕の痛み・息切れ・背中の痛み |
42.魄戸(はくこ) | 第3胸椎と第4胸椎の間から指4本分外側 | 咳・喘息・肩や背中のこり・肩や背中の痛み |
43.膏肓(こうこう) | 第4胸椎と第5胸椎の間から指4本分外側 | 自律神経の乱れ・五十肩・肩こり・背中のこり・消化不良・胃酸過多・動悸・息切れ
|
44.神堂(しんどう) | 第5胸椎と第6胸椎の間から指4本分外側 | 寝違え・首の痛み・頭痛・ストレス |
45.譩譆(いき) | 第6胸椎と第7胸椎の間から指4本分外側 | 肩や背中の痛み・咳・喘息・肋間神経痛 |
46.膈関(かくかん) | 第7胸椎と第8胸椎の間から指4本分外側 | むかつき・嘔吐・背中の痛み・肋間神経痛 |
47.魂門(こんもん) | 第9胸椎と第10胸椎の間から指4本分外側 | 胃痛・腹痛・消化不良・嘔吐・便秘・下痢 |
48.陽綱(ようこう) | 第10胸椎と第11胸椎の間から指4本分外側 | 腹痛・下痢・お腹がゴロゴロ鳴る |
49.意舎(いしゃ) | 第11胸椎と第12胸椎の間から指4本分外側 | 胃痛・胃潰瘍・胃ケイレン・背中の痛み |
50.胃倉(いそう) | 第12胸椎と第1腰椎の間から指4本分外側 | 胃痛・腹痛・胃もたれ・お腹の張り・嘔吐・便秘・背中の痛み |
51.肓門(こうもん) | 第1腰椎と第2腰椎の間から指4本分外側 | 腹痛・便秘 |
52.志室(ししつ) | 第2腰椎と第3腰椎の間から指4本分外側 | 腰痛・ぎっくり腰・疲労 |
背中最下部(腰・お尻付近)
ツボの名称 | 位置 | 期待できる効果 |
53.上髎(じょうりょう) | 仙骨上で1番上の窪み(穴) | 腰痛・冷え性・むくみ・生理不順・生理痛・痔・尾てい骨痛 |
54.次髎(じりょう) | 仙骨上で上から2番目の窪み(穴) | 腰痛・冷え性・イライラ・生理不順・生理痛・痔・尾てい骨痛 |
55.中髎(ちゅうりょう) | 仙骨上で上から3番目の窪み(穴) | 腰痛・便秘・冷え性・生理不順・生理痛・痔・尾てい骨痛 |
56.腰兪(ようゆ) | 尾骨から指2本分上 | 腰痛・生理不順・冷え性・痔 |
57.下髎(げりょう) | 仙骨上で上から4番目の窪み(穴) | 腰痛・冷え性・生理不順・生理痛・便秘・下痢・痔 |
5.背中のツボを誰かに押してもらうときの注意点
もし誰かに背中のツボを押してもらう場合は、遠慮せず力加減をリクエストしましょう。
自分以外の誰かにやってもらう場合は、どうしても力加減を相手に任せてしまうのがネックです。自分好みの強さに調整してもらうことで、筋肉の緊張が取れていく心地よさを感じられます。また背中には皮膚の下に肋骨があり、意外にも繊細な部位なので、痛みに耐えられないほど強い刺激は危険です。
誰かに背中のツボを押してもらう場合の注意点をまとめると、以下の2点になります。
- 背中には肋骨があるので、痛みに耐えられないほど強すぎる圧はNG
- 最初は弱めに、少しずつ力を加えて強くし、自分好みの力強さに調整する
ちなみに、上手く力加減を調節して心地良い刺激を与えるコツは、
- 親指の腹を使って垂直に圧をかける
- ツボ1箇所につき3~5秒かけて圧迫し、3~5秒かけて指を離す、を3セットおこなう
- 指の力だけで押すのではなく、体重を利用して親指に体重がかかるようにする。
- 複数のツボを連続して刺激するときは、肌に滑らせるようにして指を移動させる。
となりますので、ぜひ参考にしてください。
6.おすすめの背中ツボ押しグッズ3選(セルフケア以外)
背中のツボ押しに使える便利グッズを3つピックアップしました。
誰かにマッサージしてもらう時におすすめのグッズを2つ価格順に並べた後、貼るだけで指圧効果が期待できるシールもご紹介します。
選んだポイントは
- あくまで足裏ではなく背中のツボ押しに使える
- Amazonのレビューが20件以上
- Amazonの口コミ評価が★3.5以上
となっており、背中のツボ押し向けグッズの中でも、特に人気の商品を厳選しました。
①ツボ押し棒/wumio 680円(税込)
出典:Amazon
手で握りやすいよう、オカリナ型に設計されたツボ押し棒。丸まった先端部分がツボ押し用で、それ以外のアーチになっている窪み部分はリンパマッサージに使える。背中だけでなく足裏にも使用できるため、低価格でマルチに使える便利な商品。
Amazon口コミ数 636件
Amazon評価 ★4.2/5
②テラヘルツ鉱石 ツボ押し マッサージ棒 健康(Sサイズ)/GOLD STONE 2,780円(税込)
出典:Amazon
パワーストーンでできたツボ押し棒。テラヘルツ波によってコリや冷え、美肌への効果も期待できる。
一般的な足裏用のツボ押し棒と比べてサイズが小さく、先端部分が丸みを帯びた形になっている。そのため刺激を適度に抑えられ、足裏よりも繊細な背中のツボ押しにぴったりな商品。
Amazon口コミ数 22件
Amazon評価 ★4.4/5
③パイオネックス Zero 100本入り|セイリン|2,300円(税込)
出典:Amazon
ツボに貼るだけなので自分の手を使わずに済む、先端に付いたステンレスの突起で押圧効果を狙ったシール。鍼灸院で貼ってもらうような、先端に鍼が付いたタイプとは違い、不調を感じたときに気軽に使える家庭用アイテム。
今回紹介したステンレスタイプのほかに、金属アレルギーでも使いやすい樹脂タイプの「こりスポッと」という姉妹品もある。
Amazon口コミ数…149件
Amazon評価 ★4.2/5
※価格などの商品情報はすべて2020年11月20日時点のものです。
7.背中のツボ押しで不調が改善する理由
前章までは背中のツボの位置や押し方などについて触れてきました。
ここで改めて背中のツボ押しがなぜ不調に効くのか、その理由を説明します。
ツボ押しの効果を正しく理解するために、まずは東洋医学と経穴(けいけつ)について説明します。
一般的に「ツボ」と呼ばれるものは、中国や日本の鍼灸学を代表とする東洋医学では「経穴」と呼んでいます。経穴は体中に張り巡らされた経絡(けいらく)※1上にあり、特に気や血、水が滞りやすい場所とされています。
その経穴を鍼灸などで刺激することで体内の滞りを解消し、特定の臓器に働きかけて症状を緩和する、というのが東洋医学的な考えです。現在では経穴の大半がトリガーポイント※2と一致すると判明しており、WHOでも効果が認められ、全身361箇所のツボの位置が世界的に統一されています。
※1経絡…気や血、水などのエネルギーが循環するとされる、体内の末端まで網目のように張り巡らされた脈のこと。
※2トリガーポイント…遠隔部に関連痛を引き起こす、痛みの引き金となる箇所。押すと痛い。
東洋医学的な説明は正直胡散くさい、と感じる方に向けて、西洋医学的な観点でもツボ押しの効果について解説します。
まず皮膚表面を刺激すると脳に信号が送られます。このとき、実は刺激した箇所に応じて、脳の異なる場所に信号が送られるようになっています。すると脳の各機能が働き、自律神経の乱れを調整したり、鎮痛作用のある脳内物質(ホルモン)を分泌させたりして、ストレスや体に出現した症状を緩和させる、というのが、ツボ押しが不調に効く西洋医学的な見解です。
8.まとめ
背中のツボを自分で簡単に押したい方は、片手でグッズを持って背中を縦にグリグリと刺激しましょう。
詳しいやり方は1-1.ツボ押し用グッズで縦一直線にグリグリするだけ!で紹介しています。とても大雑把な方法ですが、実はこれだけで背中にあるほとんどのツボを刺激できてしまいます。
もし不調に応じて特定のツボだけ刺激したい場合は、3.ココだけ押せばOK!お悩み別・背中の代表的なツボを参考にしてください。
また、誰かに背中のツボ押しをやってもらう場合は、事前に
を読み込んでおくと、マッサージ時に役立ちますよ。
足裏と同じくらい多くのツボが存在する背中。背中が凝ったときはもちろん、眼精疲労や腰痛などが気になるときもぜひツボを押してみてください。
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