構造医学的理論から様々な疾患に対して、当センターにて全身のバランス調整をする必要性について
構造理論の中で自分が一番に着目する項目は、重力だと思います。
生物は地球に産まれた時点で地球からの重力を受け、特に人間は二足歩行をする事によりその重力を他の動物より強く受ける種だと思います。
腰痛で言えば、仙腸関節への重力からの荷重・歩行や立位での下からの荷重に対し剪断力が働きます。
この際、重心が前面や後面に偏りが強い場合、一方向の負荷が掛かり関節面にストレスを受け続け関節炎や関節包炎、偏った支位により筋肉の拘縮など、腰痛だけでも身体のバランスによって様々なリスクを受けます。
他の関節においてもバランスの乱れによって同じ事が言えます。
さらに、内蔵疾患や精神的疾患にも多かれ少なかれ関係はあります。
例えば、バランスの乱れにより腰痛や頚部の疼痛などがでた場合、この痛みとストレスを心的に和らげる場合に、人間は脳からCRH→ACTH→ステロイドホルモンと視床下部や下垂体、副腎に刺激を送りステロイドを出させます。
ステロイドは劇的な抗炎症作用などが有りますが、同時に強い副作用があり、その一つに免疫抑制作用があります。
抗炎症作用と免疫抑制作用については互いに密接な関係にあり、炎症反応は言ってみれば免疫反応に含まれるか、あるいはその延長線上にあると言って良いと思います。
生体の免疫反応については種々の機構が働いているのですが、代表的な抗炎症作用としては「アラキドン酸カスケード」に対する作用が挙げられます。
アラキドン酸はシクロオキシゲナーゼという酵素の触媒を受けてプロスタグランジンを生成して炎症反応を引き起こしますが、シクロオキシゲナーゼを阻害するアスピリンなどがプロスタグランジン生合成阻害作用を示すことにより抗炎症作用を促します。
そしてステロイドは、この反応のもう一つ前の段階、つまりアラキドン酸の遊離を抑制する作用があります。
何が言いたいかと言うと、鎮痛剤の強い弱いは、炎症のプロセスの何処に作用させるかで決まり、ステロイドは他の鎮痛剤よりもかなり早い段階で生理的作用をストップさせるという事です。
炎症のプロセスでかなり早い段階で炎症を抑える事により人間本来の生理的作用を抑制する事によって、強い副作用が生まれます。
長期の疼痛によりステロイドの影響を受けた身体は、胃炎や腸炎、ステロイドが低下してきた時の情緒不安定など色々な内・精疾患にも影響を受けると言えます。
この事により、単純な筋肉緊張をとるマニピュレーションも大切ですが、長い年月使い続ける身体のバランスを整える事が万病の予防にも繋がり、健全な肉体・精神の安定に必要だと思います。
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