インタビュー
2019.08.28
リラクゼーションコンテストJAPAN
主催者インタビュー
大会実行委員長
林 加奈恵さん
一般社団法人 日本リラクゼーション業協会 常務理事
会場が変わり、気持ちも新たにファイナルを迎える『リラクゼーションコンテストJAPAN2019』。その実行委員長を務めるのが、一般社団法人 日本リラクゼーション業協会・常務理事の林 加奈恵さん。エントリーの受付開始はファイナルの6カ月前ですが、実はファイナルが終わった直後から翌年の運営がスタートしているという本コンテスト。1年がかりで創り上げるリラクゼーションの祭典は、まさにドラマの連続。その舞台裏から今年の見どころまで、たっぷりとお話を伺いました。
そうですね、大きな変化としてまずファイナルの会場が変わります。全国各地からセラピストが集まり、応援の方もいらっしゃるので、まずアクセスのよいところ。さらに、おかげさまで来場者の数が年々増えているため、これまでよりもキャパシティがあり、なおかつ雰囲気のよい空間でゆったりと観ていただきたいという思いから、東京・有楽町のヒューリックホール東京を選びました。
ルールの変更などはありますか?
実は2018年のファイナルから、少しルールが変わっています。ステージ上で接客技術を披露する『セラピストの部(個人戦)』において、それまでは、“お客様”のプロフィールを事前に出場者に伝えていたのですが、昨年のファイナルでは詳細を知らせなかった。年齢や職業、お悩みなどは当日ステージ上でドーンと発表されて、お客様に扮した役者さんがおもむろに登場するという具合です。
それは大きな変化ですね。ぶっつけ本番で、パニックになってしまう方などはいなかったんですか?
それを理解した上で出てきているので、パニックになることはなかったですね。そもそも、なぜこの方式を取り入れたかというと、回を重ねるうちにセラピストのレベルが上がってきたことに加え、事前に細かいお客様設定を伝えることで、本番でさほど技術の差が出なくなってきたんです。
予行演習ができてしまうから。
そういうことです。
セラピストの方たちは緊張されるかもしれませんが、とらえ方によっては普段の状態に近い、よりリアルな接客シーンが展開されるというわけですね。
はい。セラピストの実力が、純粋に発揮されると思います。昨年のファイナルから取り入れた、このぶっつけ本番スタイルが好評だったので、2019年の大会ではセミファイナルからこの方式を採用しています。
いい意味で緊張感が生まれ、会場も盛り上がりそうですね。
そうなると思います。一方、『スペースの部(団体戦)』は、これまでは課題解決が主だったのが、自分たちが中心になって新しいことを考える、アイデアを出すという方向にスライドしてきています。
ファイナルでのプレゼンを見たときに、「あっ、現場はこういうことを考えているんだ」ということが、メンバーの上司にも業界関係者にも、観客席にいらっしゃる方にも分かっていただけるのではないでしょうか。ただ体をもんでるわけじゃないんですよ、この人たちは(笑)。本当にいろんなことをよく考えている。
グランプリをとったスペースのお客様が増えるとか、コンテストの波及効果はいろいろあると思いますが、私たちが最初から目指しているのは、セラピスト同士が刺激し合える場を作りたいということなんです。
普段、他のスペースの仕事ぶりを見る機会もそう多くはないと思うので、貴重な時間ですよね。
そうなんです。トップクラスのセラピストの技術を生で見ることで、いろんなことを吸収して、自分の接客に生かしたり、「こんなことができる人がいるんだ」「自分もこういうセラピストになりたい」と、目標を持つことができる。
2018年ファイナルの模様。
それが業界全体のレベルアップにつながるわけですね。
はい、しびれるような技を目の前で見て、それに共鳴したセラピストたちの意識がスッと引き上げられていく。
それは、過去5回の大会を通じて手ごたえとしてありましたか?
ありますね。現にどんどんセラピストがレベルアップしていますから。
うーん、やっぱり昨年セラピストの部でグランプリをとった伊奈さんはすごかった。お客様の設定が、これから出勤するホステスさんだったのですが、顔に触れるとメイクが崩れてしまうので、とっさに機転をきかせて「ハンド(手のトリートメント)をやりましょうか」と提案するんです。私は、これが決め手になったんだと思う。「あ、彼女は普段からこういう接客をしているんだな」と誰もが感じたのではないでしょうか。
2018年セラピストの部グランプリ・伊奈佳恵さんの接客シーン。
事前にシチュエーションを知らされていないから、ごまかしがきかないというか。普段の行動がそのまま出たんですね。
はい、それが感動的で、私、あちこちでこの話をしまして(笑)。ある業界関係者がいいことをおっしゃった。
どんなことでしょう。
あるリラクゼーションスペースのメニューに、『ハンド』があることはあった。だけど、「一応あります」みたいな感じで置いているだけだったと。それで私が伊奈さんの話をしたら、「ハンドってメインのメニューとして、おすすめすることができるんだね」「ハンドの見方が変わった」といったのです。
こういう場面で喜ばれるというのが、リアルに分かったわけですね。
そうです。ハンドというのは、どうしても脇役というか、オプションでお付けすることが多いんです。でも、しかるべき提案をすれば、メインにもなりうるんだということがステージ上で証明された。それで、「やっぱりハンドは入れておいた方がいいね」「ハンドのオプションが出ませんなんて、いってちゃダメだね」という話になりました。
もちろんです。例年、会場にはリラクゼーション業界の方以外に、学生さんや会社員の方もいらしています。見ていただければわかりますが、接客を競うステージには、目の前の相手のことを短時間で察する能力に長けたセラピストが続々と出てくるんですね。コミュニケーション能力もずば抜けている。それも単に舞台上での表現ではなく、セラピストの人間性そのものがにじみ出てくるんです。営業職でも事務職でも、そして学生さんや主婦の方も、人と接することがないという方はいないと思うので、観覧を通して得ていただけるものは大きいと思います。
各地から集まる応援の方たちも、かなり熱そうです。
会場に来られない方を含めて、応援もすごいです。まだグランプリはとっていないけど、毎年ファイナルに出場しているスペースがありまして。地元では「今年も全国大会に行くんだって?」と話題になっており、常連のお客様から差し入れがバンバンくるそうです。
これは周りも楽しいですね。母校を応援するような……。
そうなんです。リラクゼーションコンテストJAPANは、まさに笑いあり、涙あり、学びありの、リラクゼーションの祭典です。ご興味のある方は、ぜひ会場に足を運んでいただきたいと思います。みなさまのご来場を心よりお待ちしています。
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