今日は不思議なものをご紹介しましょう。
世界でも非常にまれな奇書として有名な、ヴォイニッチ手稿というものがあります。
1912年にイタリアで発見されたこの古文書は、発見者である古書収集家ウィルフリッド・ヴォイニッチにちなんで『ヴォイニッチ手稿』と呼ばれるようになります。では、この手稿を奇書たらしめているいくつかの要素を紹介していきましょう。
気になる本の内容についてですが、確認されている限りではまだ世界で誰も読めていません。
これは本文に使用されている言語が、すべて未解読文字であるためです。そして、この本には多数イラストが載っているものの、描かれた植物は現存する資料で類似するものが存在しない、などの不可解な点があるのも特徴です。
作者は不明で、哲学者や錬金術師などの手稿だとする説もあるようです。
ヴォイニッチ手稿はその発見から100年以上が経ちました。その間、幾人もの学者や好事家達によって解読が試みられましたが、いまだにほぼ全文が解読できていません。
こうなってくると、悪質なイタズラなのでは? と邪推される方もいるかもしれませんが、言語学の統計的手法に基づいて解析したところ、本文に使用されている文字列には確かに法則性があり、でたらめなものではない、との判断が下されています。
それでは最後に、私がこのヴォイニッチ手稿について『すごい』を通り越して『恐ろしい』と感じた部分をご紹介しましょう。
ヴォイニッチ手稿は全240ページの羊皮紙でできており、その中にはイラストを交えた文章らしき文字列が書き込まれています。
繰り返しますが、240ページの羊皮紙、です。
そこには、
書き直しの跡が、みられないそうです。