10日ほど前に初めてお越し頂きましたが、覚えておられますか? その後お伝えした点は如何ですか?
アクティブな生活はお続けの事と思います。
当院では、「遠慮しない」がルールです。
なんでも聞いてください。
※SKさんの場合は身体の硬さが気になっている…との事でした。
くわえて、足の攣りなども訴えられていて、左足はインソールを制作しているともお聞きしました。格闘技的な動きが好きで、ジムで筋力アップのトレーニングには積極的ですが、ヨガみたいなのは性格に会わない…と仰っていたのが印象的でした。
施術の最後にお伝えした点は「筋肉に負荷をかける運動だけでなく、緩めることに留意しましょう・…」でした。
私たちは身体を使って人生を味わっていくわけですが、生きるためには「身体を使い切って逝く」のが本当かと思います。身体は人生の資本、充実して生活できるように、身体を良い状態に工夫して維持していくこが大切ですね。
そのためには優先順序があります。自分として何が一番に気になるか・…と云う前に、「身体そのものが持つ回復のための優先順序」があるように思います。
例えば、「健常さ」には筋肉の量が必要だと言われています。そうだとしても、関節を正常にしないまま筋肉運動するとどんな結果になるかを考えてみましょう。骨と骨の繋ぎ目が関節ですが、その正常な位置は筋肉と筋(すじ)で保たれています。たくさんの筋肉と筋(すじ)や膜組織のバランスで決まってくるのですね。ですから現状で関節が正しくないのであれば既にバランスが崩れているわけです。そのまま筋肉増強のための運動を頑張るとどうなるかを考えてみましょう。
具体的には、足首が歪んだままマラソンのトレーニングをすればどうなるか…と考えて見れば自ずと想像がつくと思います。
筋肉量を気にして一所懸命になる前に、その前に身体にとっての優先順位にも思いをはせることが大切で、知的なことと思いませんか。
トレーニングに限りません。歪んだままの日常生活を続ければ、当然ながら「身体」はその状態にあわせるように変化していきます。歪んだ姿勢は身体に取っては非効率で疲れやすいものです。それでもその日常に合わせて歪みを維持する……そのために「硬くなる」といったことが起こるのではないかと思います。私の妄想ですが、身体は(本人が望むのは今のような姿勢なんだなあ、それを実現し続けるにはこんな風に変化するしかないなあ・…)とでもいうように…硬くなるといった変化が生じる、ような気がします。
・身体の優先順位は、その人の状態で個人個人で異なるのだろうと思います。特に身体に生命の危険が及んでいる時は優先順位が変化します。熱が出た時には仕事をするより寝ている方が優先順位が高いですよね。当たり前の事のようですが其処にも優先順位がはたらいています。運動よりも睡眠や休息が優先でしょうし、何よりも内臓の緊張が和らぐ必要が優先されているわけです。
食事の内容が問われることもあるでしょうし、心的な心配ごとが最優先のこともあるのです。
身体のケアには、食べ物も生活の仕方もそして運動も大事です。そして、休息も基本です。動物ですから、食事や睡眠時間などの生活リズムも大切なものです。
優先順位に鋭敏になるには、様々な身体からの信号に耳を傾けてみることが必要です。自身の感じる優先順位と身体が発する優先順位が合致していると良いでね。
身体が求める優先順位を応援してあげないで、個人的な希望などで、自己判断のトレーニングを優先させて進めても、上手くいかないかも…と思いませんか?
・身体は使えば歪むのが普通の事です。食べて休息することで身体は回復していきます。
しかし、使いすぎると回復しきれなくなることが生じます。
私たちの人生は、身体の「偏った使い過ぎ」の連続でもあります。スポーツのやりすぎも「使い過ぎ」に含まれます。間違ったトレーニングはもちろんその原因になります。
現実に実際的には、
・身体自身で回復しきれない歪みには、回復するきっかけとなる手助けが必要になります。
そして、
整体は身体本来の回復力を十分に発揮できるように工夫していく為の知恵です。もっとも有効な技と知識を手に入れてください。
必要なことは
①自身を正しく認識すると、
②実際に身体を良い方に調整すること です。
①の自分の身体を正しく認識することは、良い方向への基本条件の一つです。間違った認識では身体が回復しようとしても、ご自分で邪魔をしてしまうことになります。
自身を調べる時には、身体の偏りや歪みや硬さなどを悪者扱いしないでください。そこには理由があるのだろうと思います。現在の体勢は人生を乗り越える為に必要があって維持されているものです。
「身体」は本人が望むように変化します。ずっと座ている仕事なら、その座り仕事が「本人の望み」ですから、それに適したように変化します。筋肉が増えたりして関節が位置を変化させたりします。ですが、実際には歪んだ生活が長期間続くために、「硬くなること」が現実です。限度を超えると痛みや不具合感を訴えます(身体が発する危険信号のようなものです)が、我慢強く耐えていくとやがて慣れてきます。その(不具合感)は日々の(当たり前のこと)として特別に「認識」されることが減り、痛みや不具合は薄れていきます。しかし、更に一定限度をこえると再び痛みや不具合として感じられてきます…そしてまた一定の小康状態に変化します、それは螺旋階段を下がっているようなイメージです。
※つまり小康状態は回復したと云うより「鈍った」状態かと思われます。
鈍くなった身体は「変化」に鈍感になりますから、悪くなる時だけでなく、良くなる変化にも鈍感になります。その状態で様々な健康方法を試しても、その善し悪しの自己判断は正しいとは言えません。身体の偏りから生じる偏った感覚で自己判断すると、ある場所は過敏に、別の場所は鈍感になっていることが多いと思います。このような状況に多くの人が陥っていますが、その中で「今の自分がそうなんだ。今の自分は鈍いのかも…」と理性的に自覚できる人はたいへん賢い方だとおもいます。
・先ずは自身の身体を正しく認識しようと感性を使うこと、身体の声に耳を傾けてみること、少しでも身体感覚を磨くことをしてみたいと思います。
そして、
②の実際に身体を調整することで、身体感覚も全体観のある繊細さを見つけていけるものです。
身体は一つの組織でパーツ部品の集まりではありません。小指一本の故障でも全体が変化して対応しているものです。骨格の調整、関節・筋肉や筋(すじ)の調整、血管や神経、内臓の充実、その他様々な未知な分野も係わることと思います。
自分の身体は自分でケアしていくのが基本的に重要です。しかし自分勝手にやって逆効果になってしまっては本も子もありません。①と②は同じ道・同じ方向です。
身体の変調に気付くのが早いほど対処も早くできます。自身で把握できているほど堪えたり乗り越えていくことも上手にやれます。
先ずは始めることです。やれば進みますから…。