自律神経のバランスを整えるためには、ストレスをできるだけ溜め込まずに発散させ、規則正しい生活を送る事が大切です。
では 具体的にどのような生活を送ることが望ましいのでしょうか。
今回は自律神経を整える為に、日常生活の中で意識して取り組みたい事についてご紹介します。
自律神経は、血管をはじめ、あらゆる内臓器官を自分の意思とは無関係に調整してくれる神経です。
呼吸器官や消化器官、体温調節機能といった、体の生命維持機能をコントロールする役割を担っています。
自律神経は交感神経と副交感神経に分けられますが、基本的には人が起きて活動している時間帯は交感神経が、そしてリラックス時や夜に寝ている時間帯に副交感神経が優位になるといわれています。交感神経が優位な場合、血管が収縮して血圧が上昇し、心身が活動的な状態になります。そして、副交感神経が優位な場合は、血管が緩んで血圧が低下し、心身もリラックスした穏やかな状態になるのです。この交感神経と副交感神経が必要に応じて切り替わり、体内のバランスが保たれています。
○朝起きたら、まずはカーテンを開けて日光を浴びる習慣をつけましょう。
目から光の刺激を入れる事で、体内では「セロトニン」が活性化されます。
「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質のセロトニンには、自律神経を整える働きがあるのです。
また、陽射しをたっぷり浴びる事で体内時計がリセットされ、体に活動と休息のリズムも生まれます。その為、不眠などの症状にも効果的です。
○適度な運動はストレス解消にも繋がります。
体を動かす事で心臓から血液が送り出され、セロトニンを始めとした神経伝達物質が活性化し、爽快な気分になれるのです。
急にハードな運動をすると逆に心身に負荷を与えてしまうリスクがある為、まずは散歩やウォーキング、ヨガなど、無理のない範囲で体を動かす事がお勧めです。
○良質な睡眠をとる事は、自律神経のバランスを整えるにあたって重要です。
副交感神経が働く睡眠時は、心身の疲れを解消し、細胞の修復も行われる大切な時間。
就寝前はリラックスした状態で、できれば部屋は消灯した状態で眠りに就く事がお勧めです。
●就寝前のスマートフォンは控える
就寝前にスマートフォンを長時間見る事は、ブルーライトによってバイオリズムが乱れてしまう為、心身にストレスを与えてしまうとされています。
その為、就寝前は出来るだけスマートフォンなどのデバイスは使用しないようにする事をお勧めします。
また、スマートフォンを使用する事によって沢山の情報を受け取る生活は、心身の疲労の原因になるともいわれています。
●適度な昼寝
すでに自律神経が乱れがちで不眠に悩まされている場合、昼寝をしてみる事もお勧めです。
昼寝をするタイミングとしては、なるべく午後に15~30分程度が望ましいです。適度に昼寝をすることで副交感神経が働き、心身をリラックスした状態に導くため、自律神経を整えるのに効果的です。
注意したいのは、長時間寝ないようにする事。日中に沢山寝てしまうと、夜寝付きが悪くなる…という悪循環に陥ってしまう為、あくまで15~30分程度に留めておきましょう。
○腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、ストレスや緊張などの精神的な影響を受けやすい器官です。
便秘や下痢などによって腸が不調な状態ですと、副交感神経の働きが低下してしまいます。
そうすると血管が収縮して血流も悪くなり、栄養が体のすみずみまで行き届かず、体調不良を引き起こしてしまうのです。
その為、便秘や下痢の症状が出やすいという方は、次のような腸活を生活習慣に取り入れてみるのがお勧めです。
●朝起きたらコップ1杯の水を飲む
●ストレッチで腸を活性化させる
●食物繊維や乳酸菌を積極的にとる食生活
●夕食を食べてから3時間は消化時間にあて、リラックスすることで交感神経の働きを落ち着かせる
首を温める
冷えや疲労感も自律神経の乱れによるおもな症状ですが、自律神経の機能を高めるためには、首を温めることが効果的。首には太い血管が通っている為、温める事で全身の血流が良くなり、冷えや疲れも解消され易くなります。
血流が良くなることで首や肩のこりをほぐす事も期待できるでしょう。
首を温める事は副交感神経の活性化にもつながる為、心身をリラックス状態に持っていきやすくなります。
首を温める方法としては、ホットタオルや温熱シートの使用がお勧めです。
首元と合わせて、目元も温めるのが◎。温めるタイミングは、日中に疲れを感じた時や、就寝30分前が良いでしょう。
自律神経のバランスを整えるという視点から日常生活を見直す事で、ストレス解消や規則的な生活習慣に繋がり、健康的な体づくりにも役立ちます。
もし心身の不調を感じている場合は、ここでご紹介したような生活習慣を継続的に実践してみましょう。