小麦に含まれるタンパク質の一種であるグルテンを摂らないようにする、「グルテンフリー」という食事法を聞いたことはあるでしょうか。
健康志向の高い人を中心に注目されていますが、今回は本当にメリットがあるのかを見てみましょう。
◯グルテンとは?
グルテンは小麦粉に含まれるタンパク質で、こねたときの粘りや伸びを生み出します。パンやケーキの柔らかさなど、食品をふっくらさせたり弾力を持たせたりするのに利用されます。
◯グルテンは体に悪いのか?
グルテンが引き起こす可能性がある疾患には小麦アレルギーのほか、腸の細胞が破壊され腹痛や倦怠感などが出る病気「セリアック病」があります。
セリアック病は日本人にはあまり見られないとされていますが、ちょっとした倦怠感や頭痛を引き起こす「グルテン不耐性」の人は多くおり、体質に合わないことに気づかず生活しているとわかってきているのです。
ひどい下痢、体重減少や腹部膨張、膨満感など慢性的な胃腸の不調がある場合は、グルテン摂取の制限で改善が見られる可能性があります。
また小麦粉の成分には中毒性が指摘されるほか、グルテンを多く含む食品は高カロリーなものも多いです。グルテンを摂らないようにするとカロリー・糖質の摂取が抑えられ、結果的にダイエットになるというメリットもあります。
◯完全なグルテンフリーは大変だけれど……
パンやうどんなど麺類のほか、天ぷらや唐揚げといった揚げものの衣、さらにはカレーのルー、ウインナー、醤油など、日本人になじみのある多くのものに、グルテンは含まれています。まったく摂らないようにするのは、正直困難かもしれません。
しかし近ごろはグルテンフリーの米粉100%パンや、豆類でできた麺類なども増え、コンビニやスーパー、オンラインで気軽に買えるようになりました。また、米粉やプロテインが入ったクッキーやパンケーキミックス、グルテンフリーのお菓子も出回っています。従来よりは、小麦製品を避けることが比較的容易になっているのです。
お米中心の食生活にシフトしたり、お気に入りの代替食品を見つけたりして楽しみながらであれば、摂取を減らす「ゆるグルテンフリー」は長続きしやすいかもしれませんね。