2.地べたに座る習慣
昨今では退潮傾向にあるものの、長きにわたり床座生活を営んできた日本人。また小学校で体育の授業をはじめ、何かと取らされる体育座りのポーズ。JR京都駅前では、制服姿のまま体育座りで待機させられる修学旅行生の団体を見るのは毎度のことです。一方私の住むウィーンでは、子供たちが学校で先生の話を傾聴する機会には、椅子に座るか立ったままなのだそう。何でも先生の前で地べたに座るのは不敬に当たるのだとか。いずれにせよ、地面に座って背中を丸める機会は日本人より格段に少ない印象です。
3.成長期の受験勉強(教育システムの違い)
子供の頃はのびのびと体を動かすのが理想ですが、日本に住んでいるとなかなかそうもいきません。輝かしい将来を目指して、貴重な成長期にただでさえ華奢な体で勉強机にかじりつき、ひたすら受験勉強に励みます。そして大学入学後は打って変わって遊ぶ人が多いのは有名な話です。
翻って私の住むオーストリアでは、13歳頃までは午前中(8~12時もしくは14時)の授業のみ。帰宅して昼食を食べると、水泳、サッカー、スキーなど、各自でおもいおもいのスポーツクラブに通います。そして14~15歳で午後の選択・専門科目が追加され、その後大学院卒業までの間に、心と体の成長とともに勉強時間が徐々に増えていくシステムです。日本とは随分対照的ですが、このように成長期を考慮した教育制度が、良い姿勢の形成にも一役かっているのではないでしょうか。
4.長すぎる通学・通勤と労働時間
他の国よりもずっと通学・通勤時間の長い日本では、読書やスマホ操作などで首が前傾状態になりっぱなしの機会も多いことでしょう。また日本の職場では、短期集中型よりも長時間のデスクワークが主流であるため、体を乗り出してパソコンを覗き込む時間も必然的に増え、首・肩への負担が深刻化します。