アロマテラピーの歴史
「アロマテラピー」という言葉は、1931年頃フランス人の科学者ルネ=モーリス・ガットフォセにより造語されたのがはじまりです。しかし芳香植物や精油、ハーブなどが利用されていたのは気が遠くなるほど
昔、有史以前のネアンデルタール人までさかのぼると考えられています。古代エジプトでは、ミイラ作りにミルラやシダーウッドなどの香料を殺菌剤や防腐剤として利用し、神殿では薫香として宗教儀式でも重要な役割を
担っていました。クレオパトラがこよなくバラの香りを愛でたのはあまりにも有名です。古代ギリシャ時代の「医学の父」だあるヒポクラデスの「ヒポクラデス全集」では、ミントやマジョラムなど薬効をもつ薬400種
の植物が紹介されています。「新約聖書」にはキリストの誕生に際し、東方の三賢人が乳香(フランキンセンス)・黄金・没薬(ミルラ)を捧げたとあります。また,中世ヨーロッパの修道院ではハーブによる自然療法
がさかんにおこなわれていました。しかし、近代の西洋医学の発達により化学薬品が広り、植物の薬効は片隅に追いやられ衰退しました。そして現代、アロマテラピーは自然や生育地の破壊が、世界の原産地の生物多様性に
問題を引き起こしているそうです。これからは持続可能な水準で採集された野生植物、適正に管理された製品を選ぶことが大切なことと言えるでしょう。