【その「コリ」と「痛み」には段階がある】
ただの肩こり。
そう思って放っておいた違和感が、気づけば慢性的な痛みに変わっていた――
そんな経験、ありませんか?
実はそれ、筋肉・血流・神経が複雑に絡む「生理的プロセス」の結果かもしれません。
画像にあるように、痛みの始まりには6つのステップがあります。
ひとつずつ、専門用語を交えながら、わかりやすく解説していきます。
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【① 健康な筋肉(正常筋)】
筋線維は柔軟性があり、毛細血管を通して酸素(O₂)・栄養素(グルコース・アミノ酸)がしっかり供給されています。
さらに、静脈やリンパ管を通して老廃物も排出され、代謝の循環がスムーズ。
この状態なら、疲労も痛みも蓄積しません。
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【② 筋緊張・筋硬結の形成】
長時間の同姿勢、PC作業、精神的ストレスなどで、交感神経が優位になると、筋緊張(トーヌスの亢進)が続きます。
筋繊維の柔軟性が低下し、筋膜(ファシア)との滑走障害も生まれ、いわゆる“張ってる”状態になります。
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【③ 血管の圧迫(虚血の始まり)】
筋肉が持続的に収縮していると、周囲の毛細血管・静脈・リンパ管が機械的に圧迫され、局所循環不全(虚血)が起き始めます。
この段階で栄養の供給も、老廃物の排出もスムーズにいかなくなります。
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【④ 血流障害と代謝異常】
血流が低下すると、筋内では嫌気性代謝が進み、乳酸・水素イオン・ピルビン酸などの疲労物質が蓄積します。
結果として、筋内pHが酸性に傾き、神経を刺激する物質(ブラジキニン、プロスタグランジン、サブスタンスPなど)が増加します。
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【⑤ 疲労物質の蓄積と神経過敏】
これらの物質がポリモーダル受容器(C線維)を刺激し、筋肉内の知覚神経が過敏化します。
この状態が続くと、脊髄後角での中枢感作(セントラルセンシティゼーション)が始まり、痛みが記憶されていきます。
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【⑥ 疼痛の発生・慢性化】
こうして、脳が「痛み」として認識し始めたときには、すでに筋硬結・血流障害・神経過敏がセットになった“慢性疼痛”が出来上がっています。
この状態では、軽く押しただけでも「痛い」と感じたり、寝ても治らない不快感が続いたりします。
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【では、どうケアすればいいのか?】
痛みは「結果」であって、「原因」はもっと早くから始まっています。
・日常の姿勢改善(骨盤・胸郭・頸椎のアライメント)
・筋膜の滑走改善(ファシアリリース)
・横隔膜や骨盤底筋を活用した呼吸性ポンプの活性化
・静脈還流とリンパ流の促進
・自律神経の調整(副交感神経の活性)
これらがすべて、“流れ”を作り直す鍵となります。
痛みを取るだけでなく、「なぜ痛くなったのか?」にアプローチする視点を。
身体は声なき声で、ずっとサインを出しています。
見逃さず、早めにケアすることが、未来の健康を守る一歩になります。
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