近年増加している「巻き肩」。
単なる姿勢不良と思われがちですが、その背後には肩甲帯機能の破綻が隠れています。
今回取り上げるのは、
【巻き肩における肩甲骨の「回旋」「傾斜」「前後変位」】
という三軸の構造的変位についてです。
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■ 巻き肩とは?
巻き肩とは、
肩甲骨が胸郭上で外旋・前傾・外側偏位し、かつ上腕骨が内旋位を取る姿勢異常です。
この状態は、肩甲胸郭関節の安定性を損ない、
・頚部伸筋群の過緊張
・小胸筋・肩甲下筋の短縮
・広背筋・僧帽筋中部・下部の機能低下
といった筋機能バランスの崩壊を引き起こします。
その結果、
→ 頚肩部痛、上肢痺れ、胸郭出口症候群様症状、肩関節インピンジメント
といった二次障害へ発展することもあります。
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■ 肩甲骨三軸変位の具体的メカニズム
【回旋変位】
肩甲骨が生理的な内旋位を逸脱し、過剰に外旋または内旋します。
この回旋は肩甲胸郭リズムに異常を生じさせ、肩関節可動域制限の原因となります。
【傾斜変位】
肩甲骨の内側縁(脊椎側)が上下方向にずれ、左右で肩甲骨の高さが非対称になります。
→ 片側上方回旋、片側下方回旋が生じ、僧帽筋上部線維・下部線維間の拮抗バランスが崩れます。
【前後変位】
肩甲骨全体が胸郭上を滑走し、正常な接地面積を失うことにより、肩甲骨固定筋群(前鋸筋・小胸筋・僧帽筋中部など)の出力低下を招きます。
特に前鋸筋の機能不全は、肩甲骨の内転制御を破綻させるため、さらに巻き肩を助長します。
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■ 画像で解説されている重要点
①【回旋変位を肩甲骨単位で補正する】
単なる筋緩和やストレッチだけではなく、肩甲骨の「回旋軸」を意識した調整が必須です。
杉山手技療法では、肩甲骨を三次元的に把握し、回旋・傾斜・前後移動それぞれを微調整します。
②【左右高さの不一致】
僧帽筋上部の緊張過多、肩甲挙筋の短縮、菱形筋群の左右機能差などが関与。
→ 高さの違いは単なる骨格だけではなく、筋緊張バランスの問題と直結します。
③【脊柱起始長の左右差】
肩甲骨が脊柱から等距離に位置するのが理想ですが、巻き肩では一方が外転・一方が内転しており、脊柱と肩甲骨間の距離に差異が生じます。
これにより脊柱起立筋群・胸椎回旋筋群にも負荷がかかり、脊椎の側屈・回旋異常を誘発します。
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■ 巻き肩の放置による影響
・肩甲骨運動障害(SICK scapula)
・胸郭出口症候群(TOS)
・肩関節唇損傷
・頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア
・肋間神経痛様症状
これらはすべて、「肩甲骨の自由度低下」が引き金になり得ます。
巻き肩の放置は決して軽視できません。
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■ 杉山手技療法のアプローチ
巻き肩に対して、杉山手技療法では、
・肩甲骨の回旋中心(Center of rotation)を復元
・肩甲骨固定筋群と可動筋群の協調性再教育
・胸郭可動性(リブモビリティ)向上
・頚椎~胸椎カーブの生理的再建
これらを統合的に行います。
単なる矯正ではなく、動的バランスの再構築をゴールとしています。
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肩甲骨の三軸変位を理解し、適切な介入を行うことで、
巻き肩は確実に改善できます。
あなたの肩甲骨、本当に動いていますか?
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