【リンパを流したら眠くなる理由~自律神経と東洋医学の視点で解説~】
リンパドレナージュやリンパマッサージを受けたあと、「なんだか眠くなる」「急にリラックスしてうとうとしてしまう」という経験、ありませんか?たくさんのお客様からもよく質問をいただきます。実は、この眠気は私たちの身体が“健康な方向に戻ろう”とする自然な反応でもあるのです。今回はその理由を、自律神経のメカニズムと東洋医学的な見方、両面からやさしく解説します。
■自律神経とは?
まず、私たちの体を24時間コントロールしているのが「自律神経」。自分の意志ではコントロールできず、呼吸・脈拍・消化・体温調整・ホルモン分泌など、生命維持に関わる機能を自動で調整しています。
自律神経は「交感神経(こうかんしんけい)」と「副交感神経(ふくこうかんしんけい)」の2つの働きで成り立っています。交感神経は“アクセル”と言われ、緊張・興奮・活動時に優位になり、心拍数や血圧が上がります。対して副交感神経は“ブレーキ”。リラックス・休息・修復モードに導き、脈拍や血圧を下げ、内臓の働きを高めて体の修復と回復を促します。
■リンパを流すと副交感神経が優位に!
リンパマッサージは、ゆったりとした刺激や圧でリンパ液の流れを促進します。ゆっくりとしたリズムと深い呼吸が自然と生まれやすく、筋肉や心拍も徐々に落ち着いてきます。これはまさに“副交感神経”が優位になる状態。
副交感神経が働くと、体は「お休みモード」に切り替わります。すると脳もリラックス状態へ、血流も良くなり手足が温まり、消化や排泄など内臓が活性化。このとき、心も安心・解放へと向かい、「眠気」というサインが出やすくなるのです。
■東洋医学的な観点──「気血水」と「陰陽」のバランス
一方、東洋医学では人の健康を「気・血・水(きけつすい)」の巡りや、「陰陽(いんよう)」のバランスでとらえます。リンパは「水(すい)」の流れと密接な関係があります。そしてストレスや疲れが溜まると、この「水(すい)」や「気」の流れが滞り、むくみやだるさ、冷え、不眠などさまざまな不調が現れます。
リンパマッサージは“水の巡り”を良くし、老廃物や余分な水分を排出。「気」の流れも同時に整えてくれるため、東洋医学的にも“滞り”がなくなり、心身が本来持つ「自律回復力」が目覚めて、深いリラックスと眠気につながるのです。
■睡眠に近い「リセット」タイム
リンパマッサージで眠気が起こるのは、ただの副作用ではなく、“体が生まれ変わろうとするサイン”。脳も体も緊張状態から解放され、本来の修復・再生モードにスイッチが入ります。「ちょっと寝たいな…」という身体感覚は、心身ともにとても自然で大切なこと。
無理に我慢せず、このタイミングで少し仮眠したり、施術後はゆっくりすることで、リンパの流れや自律神経バランスの変化を最大限に活用できます。
■まとめ
リンパを流した後の眠気は、「身体が正常に整おうとしている証拠」。自律神経の“副交感神経優位”への切り替えと、東洋医学的な“気・水の巡り”の回復。この二つの視点が重なって現れるナチュラルな現象です。リンパの流れを良くすることで、忙しい現代人の「休息力」「元気の土台」が高まります。ぜひ定期的に取り入れて、質の高い休息&ぐっすり快眠を手に入れてみてください
