1. 脛骨の役割と荷重伝達の全体像
- 脛骨(脛骨)は膝から足首へ荷重を伝える長骨で、体重の約70〜90%を支持します。膝から足関節にかけての荷重経路を安定に保つことは、走る動作の効率と膝・足首の保護に直結します。
- 脛骨の前方を走る平面と後方の髄腔・骨皮質が、筋腱の付着と連動して「推進力と制動力」のバランスをつくります。走行時には地面反力が繰り返し加わり、微小な変位が長期間蓄積すると痛みや炎症の原因になり得ます。
2. 脛骨粗面( tibial tuberosity)の重要性
- 脛骨粗面は膝蓋腱の付着部で、膝を伸ばす力(大腿四頭筋の腱収縮)を直接受け止める場所です。運動選手にとっては、ジャンプや駆け足の際の推進力生成に不可欠です。
- 成長期には脛骨粗面の成長板付近で痛みが出やすい「Osgood-Schlatter病」などの病態がみられますが、成人でも過度の負荷や不適切なトレーニングで付着部の炎症・痛みが生じることがあります。適切なストレッチ・筋力均衡・適切なトレーニング計画が予防・改善の鍵です。
- 粗面の機能障害は膝の曲げ伸ばしの協調性を乱し、走行時の膝の安定性にも影響します。膝-脛骨-足首の連携を整えることが、着地時の衝撃緩和と推進力の安定化につながります。
3. 内果(medial malleolus)と腓骨切痕(fibular notch)の関係
- 内果は内側くるぶしの骨隆起で、距骨と脛骨の間接(足首の内側関節包)を形成します。足首の安定性に直結し、特に内反・外反方向の動きを制御する重要ポイントです。
- 「内果が硬い」と感じる状態は、関節包・靭帯・周囲組織の柔軟性低下や骨性形状の変化を反映していることがあります。過度の硬さは足関節の可動域を狭め、歩行・走行時のアライメントを不自然にし、アキレス腱周囲の動きにも間接的に影響を与えることがあります。なお、アキレス腱は踵骨後方の腱で、主に踵の動きと足首の背屈-底屈運動を支配します。内果の形状が硬いと、足首の後方動作のスペースや腱の滑走経路が狭く感じられる場面がありえます。
- 腓骨切痕は脛骨の distal 側面にある腓骨との接触部で、脛腓関節(distal tibiofibular joint)を形成します。スポーツ時の捻挫や過度のねじれ動作でこの部位の安定性が乱れやすく、距骨の位置が微妙にずれると距骨-脛骨間の滑走が変わり、足首の動きに影響を及ぼします。これが悪化すると全体の足首安定性の連動が崩れ、アキレス腱周辺の張力分布にも影響が及ぶことがあります。
4. 走っているときの神経・血管の走行と注意点
- 脛骨周囲には複数の神経が走行します。特に「脛骨神経」は後面を走り、内くるぶしの後方で足底への神経伝導を担います。長距離走や階段昇降時の神経刺激痛・しびれ感の原因になり得ます。
- 外側には「総腓骨神経(common peroneal nerve)」が腓骨頸部を走り、前面・外側の筋肉を支配します。捻挫などの外傷でこの神経が圧迫・牽引されると、足首の背屈力の低下やつま先の感覚異常が生じることがあります。
- 足首周辺では「脛骨神経」「脛骨動脈・静脈」「腓腹筋・ヒラメ筋の血管」などが比較的狭い解剖スペースを通過します。過度なトレーニング、靴の圧迫、過度の腱の張力は神経の滑走を制限し、痛みやしびれの原因になることがあります。
5. 実践ポイント
- 脚部の全体のアライメントを整える:骨の並び(膝・足首・足の着地)が一直線になるよう、股関節・膝・足首の柔軟性と筋力のバランスを意識する。
- 脛骨粗面を含む膝周囲の筋力を強化する:大腿四頭筋の均衡、ハムストリングスの柔軟性、腸腰筋の安定性を意識したトレーニングで膝関節の安定性を高める。
- 足首の可動域と腱の滑走を整える:腓腹筋・ヒラメ筋の柔軟性、前脚の伸張、アキレス腱周囲のセルフケアを日常に取り入れる。
- 内果・腓骨切痕周囲の動きを観察する:過度な腫脹・痛み・可動域制限があれば早めに評価を受け、関節包・靭帯の緊張を和らげるケアを検討する。
- 神経の負担を減らす生活習慣:適切な靴選び、着地時の衝撃緩和、長時間同じ姿勢を避けるなど、神経の刺激を減らす工夫を日常に取り入れる。
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