関節痛の原因はプロスタグランジン?(2025年11月04日 16時39分) 杉山手技療法・西宮北口

1) 痛みの根本メカニズム(炎症と免疫の連携)
プロスタグランジンの役割
- 炎症が進むと、プロスタグランジン(特にPGE2など)の生成も増えます。これが痛みの伝わり方を強め、筋肉痛・関節痛を強く感じさせる一因となります。
- 全身の代謝と疲労感
- ウイルス感染は体の代謝状態を乱し、エネルギーの枯渇感や疲労感を引き起こします。筋肉内には微小な炎症が生じ、栄養・酸素の供給不足や休息不足の影響も加わって、痛みの感覚が増幅されることがあります。

2) 背中の痛みが起きやすい理由
- 大きな背中の筋肉群の過度の緊張
- 背中には広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋など大きな筋肉があり、咳をしたり呼吸を深くするたびにこれらの筋肉が過剰に働きます。長時間の同一姿勢や睡眠時の体位の影響もあり、筋肉の張り・こわばりが痛みとして現れやすくなります。
- 筋膜と連動する痛み
- 背中の筋肉は筋膜で覆われており、炎症性サイトカインの影響や代謝ストレスが筋膜の緊張を生み、局所の痛みが強まる場合があります。
- 呼吸運動と肋間筋
- 咳をすると肋間筋・肩甲帯周囲の筋肉が急激に収縮します。これが背中の痛みに繋がることがあります。熱があると筋肉の再生能力が低下し、痛みが長引くことも考えられます。

3) リンパ系と痛みのつながり
- リンパ系の役割
- 病原体が侵入するとリンパ節で免疫細胞が活性化され、リンパの流れが活発化します。炎症性サイトカインと組織液の動きが活発になり、痛覚神経を刺激する環境が整います。
- 痛みとの関係
- 炎症が広がると、炎症性物質が周囲の組織へ拡散します。リンパの動きが活発になることで、痛みの信号が体のあちこちへ伝わり、全身の倦怠感とともに「痛みが広がる」感覚を生じやすくします。

4) 自宅での実践的ケアと医療の目安
- 基本のセルフケア
- 水分・栄養・睡眠を最優先に。炎症を抑えるためにも、バランスの取れた食事と十分な水分補給を心がけましょう。
- 痛みに対しては、市販の鎮痛薬を用いる場合は用法用量を守り、持病・年齢・妊娠授乳を確認します。疑問があれば医療従事者に相談してください。
- 温めるケアは有効な場面があります。長時間の同じ姿勢を避け、適度な温熱で筋肉の緊張を緩めるのが良いでしょう。痛みが強い場合は過度な温熱を避け、肌の状態にも注意します。
- 軽いストレッチや姿勢改善も役立ちます。無理のない範囲で体幹をほぐし、背骨周囲の筋肉を緊張させすぎないようにします。
- 休養の取り方と注意点
- 症状が強いときは休養を多めに取り、過度の運動は避けます。発熱がある場合は脱水に注意し、喉の渇きや尿量の変化にも気をつけましょう。
- 受診の目安
- 高熱が数日続く、胸痛・息苦しさがある、脱水サイン(尿量の減少・強い喉の渇き)、意識の混濁、痛みが数日経っても悪化する場合は早めに医療機関へ。インフルエンザ疑いで特定の基準を満たす場合には、抗インフルエンザ薬などの治療が推奨されることがあります。
- 熱があるときとないときの違い
- 風邪では発熱が軽度の場合が多く、喉の痛み・鼻水・倦怠感が中心です。インフルエンザは急激な発熱と全身倦怠感、強い関節痛が特徴的で、症状のピークは感染後1〜3日程度に現れることが多いとされています。個人差があるため、症状の経過を観察し、判断が難しい場合は医療機関を受診してください。

5) 風邪とインフルエンザの見極めと日常対処
- 基本的な違い
- 発熱の速度・程度、倦怠感の強さ、頭痛の有無、関節痛の強さなどが異なることがあります。ただし自己診断は難しいため、体調の急変や持病がある場合は早めの受診が安全です。
- 共通の対策
- 十分な休養、水分補給、栄養の摂取、必要に応じた鎮痛薬の使用、適度な温熱・ストレッチ、医師の指示に従うことが基本です。

6) まとめ
- 風邪・インフルエンザ時の関節痛・背中の痛みは、免疫反応と炎症、サイトカイン・プロスタグランジンの働き、そして背中の筋肉・筋膜の緊張が複合的に関係して生じます。リンパ系の活性化も痛みの広がりと関係します。自宅では休養・水分・栄養を重視し、痛みに応じた鎮痛ケアと温熱・ストレッチを取り入れ、症状が強い・長引く場合は医療機関を受診しましょう。

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