脊柱管狭窄症+すべり症がある方は、
「痛いところをゴリゴリ触れば治る」はむしろ逆効果になることが多いです。
ここでは
- なぜ患部をあまり触ってはいけないのか
- 代わりに“触らずに”改善を目指す考え方と方法
を専門的な内容を、できるだけわかりやすくまとめます。
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## ① 狭窄症+すべり症の「患部」はそもそも敏感ゾーン
### ● 何が起きているのか?
- **脊柱管狭窄症**
→ 背骨の中を通る神経のトンネル(脊柱管)が狭くなり、神経や血管が圧迫される状態。
- **すべり症**
→ 背骨の一つの骨(椎体)が前や後ろにズレて、関節や椎間板、神経にストレスがかかる状態。
この2つが合併すると、
- 神経が圧迫されやすい
- 周りの筋肉・靭帯が常に防御反応でガチガチ
- 関節自体が不安定になりやすい
という「ちょっとの刺激でも悪化しやすい状況」になります。
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## ② なぜ患部をゴリゴリ触ってはいけないのか?
### 1. 不安定な関節をさらに揺さぶるから
すべり症では、
- 背骨が前後にズレやすい=**不安定**な状態。
この不安定な部分を
- 強い指圧
- グイグイ押すマッサージ
- ボキボキ鳴らす矯正
などで直接刺激すると、
- 椎体のズレが悪化
- 椎間板や椎間関節への負担増
につながるリスクがあります。
### 2. 神経をさらに刺激してしまうから
狭窄部位周辺は
- 神経そのもの
- 神経周囲の血管
がすでに圧迫され、敏感・過敏な状態です。
そこを
- ぐりぐり押す
- 長時間強く圧迫する
ことで
- 一時的なシビレ増悪
- 歩行時の痛みや間欠跛行(歩くと足が痛くなって休み休みでないと歩けない症状)が悪化
することがあります。
### 3. 防御反応で「硬さスパイラル」に入る
痛い部分を無理に触ると、体は防御反応として
- 筋肉をさらに硬くする
- その結果、血流が悪くなり痛み物質が溜まる
- ますます痛い→また防御
という**悪循環(筋防御スパイラル)**が起きやすくなります。
「押されるとその場だけ楽な気がする」のは
- 一時的に感覚が鈍くなる
- 痛みの場所が“ごまかされる”
という要素が大きく、根本的な改善とは言えません。
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## ③ 「触らずに治す」の本質は“患部を直接いじらず、環境を整える”
ポイントは
**『狭窄+すべりを起こしている腰そのもの』ではなく
『腰に負担をかけている周辺要素』を整えること**です。
### 1. 股関節・胸椎(胸の背骨)をよく動かす
腰が固まっている人の多くは
- 股関節が硬い
- 胸まわりが丸まり、胸椎が動かない
状態がセットになっています。
この結果、
- 本来「股関節」や「胸椎」が受けるべき動きの負担を
- 全部、腰がかぶってしまう
→ すべり症+狭窄部位へのストレス増大
【やるべきことの例】
- 股関節の曲げ伸ばし・外旋内旋ストレッチ
- 胸椎のひねりエクササイズ(寝た姿勢・座位でOK)
どれも「腰をひねらない・反らさない」ように注意しながら行うのがポイントです。
### 2. 骨盤と体幹の「安定性」を高める
すべり症は“ゆるい関節”の問題とセットになりやすいので、
**固定力(スタビリティ)をつけるエクササイズ**が重要です。
例えば、
- ドローイン(お腹をへこませて腹横筋を使う)
- 四つ這いでの手足伸ばし(腰を反らさない範囲)
など、
「痛みなく・腰がグラグラしない範囲」で行う体幹トレが有効です。
ここでも、
- 腰そのものを反らしたり、ひねったりしない
- “腹圧(お腹の内側の圧力)”を高めてコルセットのように使う
ことが、安全かつ効果的な方向性になります。
### 3. 姿勢&生活動作の見直し
触らずに改善させるうえで、実は一番効くのがこれです。
- 長時間の前かがみ姿勢を減らす
- 座る時間を分割して、30~40分に1回は立つ・歩く
- 重い物は腰で持たず、体に引き寄せて脚で持ち上げる
特に狭窄症では
- 前かがみで楽
- 反るとつらい
ことが多いですが、
「過度な反り」と「長時間の丸まり」のどちらも避け、
**こまめに姿勢を変えること**が神経圧迫の軽減につながります。
### 4. 神経そのものを「なめらかに動かす」ケア
神経は線路のように全身を走っていて、
狭窄部位で圧迫されると、神経自体の“滑り”が悪くなります。
専門的には「ニューロダイナミクス」や「神経モビライゼーション」と呼ばれる方法で、
- 足を持ち上げたり
- 首を軽く動かしたり
しながら、
**痛みが出ない範囲で神経の滑りを回復させていく**考え方があります。
これはセルフでやる場合も、必ず
- 痛みが出ない範囲で
- ゆっくり、呼吸を止めずに
が鉄則です。
### 5. 「触る」なら、患部以外を優先する
どうしても手技やセルフマッサージを取り入れたい場合は、
- お尻(中臀筋・小臀筋)
- 太ももの横・前・後ろ
- ふくらはぎ
- 背中の上の方(胸椎まわり)
など、「腰そのもの」以外を緩めていくのが安全です。
結果として
- 腰の負担が分散される
- 血流が良くなって回復環境が整う
という形で、間接的に腰の改善をサポートできます。
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## ④ 医療的なチェックが必要なサイン
以下のような症状がある場合は、
セルフケアだけでなんとかしようとせず、早めに整形外科を受診してください。
- 排尿・排便のコントロールが効きにくい
- 両足に強い麻痺(力が入らない)が出ている
- 安静にしても夜間も激痛が続く
- 急激な悪化
これらは、手術を含めた医療的介入を急ぐ必要があるサインの可能性があります。
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## まとめ
- 狭窄症+すべり症の患部は、
すでに「神経」「関節」「靭帯」が限界ギリギリで頑張っている場所。
- そこをゴリゴリ押したり、ボキボキひねるのは
不安定さと神経圧迫を悪化させるリスクがあるため推奨されません。
- 代わりに
- 股関節・胸椎の可動性アップ
- 体幹・骨盤の安定性トレーニング
- 日常姿勢と動作の見直し
- 患部以外の筋肉ケア
を軸に、「触らずに環境を整える」ことが安全かつ理にかなったアプローチです。
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