尺骨と三角骨のあいだ(いわゆるTFCC付近)の「ツーンとくる張り」や「回旋ストレス」と、膝蓋骨・腓骨頭まわりの「モヤモヤする緊張」「ねじれ感」。
一見バラバラの不調に見えますが、筋膜のスパイラルラインで考えると、一本の“ねじれたライン”としてつながっている可能性がかなり高いです。
スパイラルラインは、体をらせん状にぐるっと巻きつく筋膜のつながりで
・足の外側〜腓骨頭〜膝周り
・骨盤・肋骨まわり
・肩甲帯〜上腕〜前腕
を結びながら、全身の回旋バランスを調整してくれるライン。
ここでカギになるのが
・腓骨頭(下肢のねじれのハブ)
・尺側手関節(TFCC・尺側手根伸筋など)
この2点です。
【下から上へのねじれ連鎖】
・足部のアーチがつぶれている
・外返しが苦手、片足立ちがグラつく
こんな状態になると
→腓骨頭まわりがガチっと固まる
→膝が内側にねじれ、膝蓋骨の軌道がズレる
→そのねじれが大腿〜骨盤〜体幹を通って肩甲帯へ
→肩甲骨の位置が崩れ、前腕の回内外でムリに帳尻を合わせる
→最終的に、尺骨-三角骨間に「ねじれ+圧縮ストレス」が集中
という流れで、手首の違和感やTFCC周囲のストレスがたまっていきます。
【上から下へのねじれ連鎖】
逆に、
・PC作業でのマウス操作
・スマホの持ち方のクセ
・テニスやバドミントン、投球動作
などで前腕の回旋ストレスが強い人では
→手根骨列(特に尺側)の微妙な配列が乱れる
→上腕〜肩甲帯の回旋パターンが変わる
→体幹・骨盤を介して下肢のスパイラルラインへ波及
→膝蓋骨の追従が悪くなり、腓骨頭まわりがパンパンに張る
こんな「上から下」への波及も十分起こりえます。
つまり
・尺側手関節の張り・ピリッとした痛み
・膝蓋骨周囲のモヤモヤ感や階段での違和感
・腓骨頭のゴリゴリした硬さ
が同時にある人は、「3カ所バラバラの問題」ではなく
→一本の“ねじれロープ”として評価・アプローチするのがおすすめ。
【セルフケア・評価のヒント】
・足部アーチと腓骨頭のモビリティを出す(足裏ほぐし+腓骨頭をやさしく前後に揺らす)
・膝蓋骨を上下左右に小さく動かし、スムーズなグライドを確認
・骨盤・肋骨の回旋エクササイズで、体幹のねじれを左右均等に
・肩甲骨の外旋・後傾を引き出す「腕を前ならえからやや外に広げて、肘を軽く曲げた状態で肩甲骨だけ背中側にスライドさせる」動き
・前腕の回内外をゆっくり繰り返しながら、尺側の突っ張りが出るポイントを探し、痛くない範囲で微調整
局所だけを強く押したり、ストレッチだけに頼ったりしても変化が薄いケースほど、
「スパイラルライン全体のねじれ」をほどく意識が大切になります。
尺骨-三角骨のあいだと、膝蓋骨・腓骨頭まわり。
この2つを“離れた別パーツ”ではなく、“一本のラインの両端”として捉える視点を持つと、評価もケアもかなりクリアになります。
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