皺眉筋(しゅうびきん)について(2025年12月24日 18時13分) 杉山手技療法・西宮北口

眉毛の上下は左右両方とも交互にできますか?
ほとんどの人は片方しかできません
理由を考えていきましょう!

関係している筋肉(眉の「上げ・下げ」を担当)
眉の主役はこのあたり。
・前頭筋(ぜんとうきん)
眉を「上げる」担当。驚いた顔のときに働く。上げやすい人ほど、無意識にここが常に頑張っていることも。
・眼輪筋(がんりんきん)
目の周りをぐるっと囲む筋肉。目を閉じるだけじゃなく、眉を下方向へ引く要素にもなる(特に“キュッ”と細める時)。
・皺眉筋(しゅうびきん)(眉間にシワを寄せる筋)
眉頭を内側・下方向へ引く。いわゆる「しかめ面」「集中顔」。
・鼻根筋(びこんきん)
鼻根部(鼻の付け根)に横ジワを作る側で、眉間周りの下制に関与。
・(補助)眉毛下制筋と呼ばれる領域(個人差あり)
文献や分類で扱いが分かれるけど、下げ動作の協調に関係することがある。
今回の「左眉が下ろせない」は、よくあるパターンとしては次のどれか(または混合)だよ。
・左の前頭筋が常に入りやすく、ブレーキがかからない(上げ癖が強い)
・左の眼輪筋・皺眉筋の“狙って収縮”が弱い(感覚入力が薄い/使い慣れてない)
・左右で表情のクセ(噛み癖、利き目、片側で眉を上げる表情)
・ストレスや眼精疲労で、眉や額を上げて目を開けようとする代償が強い
左眉を「下ろす」ためのコツ(上げる筋を抜いて、下げる筋を入れる)
ポイントはシンプルで、「上げる」をやめてから「下げる」を入れること。上げ筋(前頭筋)が入ったままだと、下げ筋が働いても相殺されやすい。
1) まず“額を静かにする”(前頭筋オフ)
・鏡の前で、左右の額のシワを観察
・眉を下げたい側(左)の額に指を軽く当てて、シワが増えないように固定
・その状態で目だけを「細める」→眼輪筋を先に起動
狙いは「眉を下げる」の前に、眉を上げるクセを止めること。
2) 「目を閉じる」ではなく「目を細める」
・ギュッと閉じると力みが強すぎて別の代償が出やすい
・おすすめは、眩しい時みたいに薄目を作る
・そのまま眉頭(眉間側)が“スッ”と下がる感覚を探す
ここで主に働きやすいのが眼輪筋+皺眉筋の協調。
3) 眉頭だけを“内側・下”へ 1mm(小さく)
・「怒る顔」になりすぎると顎や首まで力みやすい
・動きは1mmでOK
・息を吐きながら、眉間の皮膚を“寄せる”というより、奥の筋をそっと締めるイメージ
4) 片側練習のコツ(左だけ狙う)
・右眉を指で軽く支えて「動かないように」すると、左の神経入力が上がりやすい
・回数は
・10秒キープ×3回
・その後、ゆっくり5回(上げずに下げる)
を目安に
・やりすぎると眉間が疲れて頭痛っぽくなる人もいるので、1日1〜2セットくらいから
その動きで「首が楽」「流れた感じ」「目の疲れが抜けた」理由(考えられること)
ここは“推測”も含むけど、筋膜や神経のつながり的に説明がつくよ。
理由1:額を上げるクセが抜けて、頭〜首の緊張連鎖がほどけた
眉を上げる前頭筋は、頭皮側(帽状腱膜)とつながっていて、無意識にここが頑張る人は、後頭部〜首(後頭下筋群あたり)まで緊張が波及しやすい。
「眉を下げる練習=前頭筋を抜く練習」になると、結果的に後頭部や首の張りが軽くなることがある。
理由2:目の周り(眼輪筋)が働いて、眼精疲労の“代償”が減った
目が疲れると、人は目で頑張れない分を「額で目を開ける」方向(前頭筋)で代償しがち。
眼輪筋を適度に使えると、まぶた周りの血流・筋ポンプが働きやすく、目の重さが軽く感じることがある。
理由3:「呼吸が深くなる」「顎の力が抜ける」副反応
表情筋の細かい運動に集中すると、食いしばりが一瞬ゆるんだり、吐く息が長くなったりして、副交感神経優位っぽい状態に寄る人がいる。
それで首・目のこわばりが“スッ”とほどけて、**流れた感じ(血流やリンパの変化の体感)**が出ることは十分ありえる。
理由4:顔面神経の支配領域を“再学習”して左右差が整いはじめた
表情筋は顔面神経で動く。左右差がある動きを丁寧にやると、筋力というより**運動の精度(神経の出力)**が上がって、「動く感覚が戻る」ことがある。これが“通った”ように感じる人もいる。

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