関節リウマチ(RA)と「上腕筋(主に上腕二頭筋・上腕三頭筋)」や「三角筋」は、一見“筋肉の病気”とは違うのに、実はかなり深く関係します。ポイントは ①炎症が起きる場所(関節・腱鞘・滑液包) と ②痛み回避による筋機能低下、そして ③肩〜肘の運動連鎖 です。RAは自己免疫の異常で滑膜(関節の内側)に炎症が起き、腫れ・痛み・熱感・こわばりを生みます。すると関節そのものだけでなく、関節をまたぐ筋肉の働き方まで変わります。
まず肩周り。肩関節(正確には肩甲上腕関節)では三角筋が“腕を上げる主役”ですが、単独で頑張る筋ではありません。本来、三角筋が上腕骨頭を上に押し上げる力を出す一方で、腱板(ローテーターカフ) が骨頭を求心位(関節の中心)に保ち、インピンジメント(挟み込み)を防ぎます。RAで肩関節や肩峰下滑液包、腱板付着部に炎症があると、痛みで腱板が働きにくくなり、結果として三角筋の収縮が“効率の悪い挙上”を作りやすくなります。つまり 三角筋は弱くなるだけでなく、代償的に過緊張にもなり得る。肩を上げると痛い人が首をすくめるように動かすのは、三角筋と僧帽筋上部の代償が増える典型です。
次に上腕二頭筋。上腕二頭筋は肘を曲げる筋という印象が強いですが、実は 肩の前方安定化 にも関わります。長頭腱は肩関節内(関節包内)を走り、上方関節唇付近に付着します。RAでは腱鞘炎や滑膜炎が起きやすく、上腕二頭筋長頭腱炎 のような痛みが出ることがあります。これがあると「腕を前に上げる」「物を持ち上げる」「ドアノブを回す(回外)」などで痛みが出やすく、肩の前面痛の原因になります。さらに肘側では、RAで肘関節の滑膜炎が起きると屈曲伸展が痛くなり、上腕二頭筋の筋力低下(不使用性萎縮)や筋持久力低下が進みます。
上腕三頭筋は肘伸展の主力で、押す動作(起き上がりで手をつく、ドアを押す) や、肩では長頭が肩関節の後方安定化にも関わります。RAで肘が腫れて伸びきらない(伸展制限)状態が続くと、三頭筋は“最後まで縮める経験”が減り、関節可動域の低下と筋機能低下がセットで進みやすいです。結果として日常の支持性が落ち、手関節や指に負担が回って「手が痛いから余計に使わない」という悪循環を作ることもあります。
ここで重要なのが 「炎症=筋トレで解決」ではない 点です。RAの痛みは、単純な筋肉痛ではなく炎症性疼痛(夜間痛・安静時痛、朝のこわばり)を伴うことがあり、増悪期(フレア)に無理をすると関節・腱鞘・滑液包の炎症を強めるリスクがあります。一方で、寛解〜低疾患活動性であれば、適切な負荷設定の運動は筋力と機能を守る大切な柱です。臨床的には、RAの肩〜肘の不調は 「関節炎」だけでなく「腱鞘炎」「滑液包炎」「腱板障害」 が混在しやすいので、痛む場所・動かし方・時間帯・腫れ熱感の有無を丁寧に切り分けるのが専門的アプローチになります。
インスタ投稿としてのまとめはこれ。RAは関節の炎症が中心ですが、三角筋・上腕二頭筋・上腕三頭筋は「関節をまたぐ存在」なので、炎症や痛み回避の影響を強く受けます。だからこそ、薬物治療で炎症をコントロールしつつ、痛みを悪化させない範囲で 肩甲帯の安定化(腱板・肩甲骨周囲筋)+肘の可動域維持+上腕筋の持久力 を育てることが、日常動作を守る近道になります。
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