首を「左に回して」さらに「上を向く(伸展)」で痛む場合、首の中でも 左側の“後ろ〜外側”にある関節・筋肉・神経が同時に圧迫/伸張される動きになっているのがポイントです。ここでは原因として考えやすい組織を、専門的に整理して解説します(診断ではなく一般的な解剖・病態の説明です)。
1) まずこの動きで何が起きる?(力学)
左回旋+伸展では、ざっくり言うと
・左の首の後方の関節(椎間関節)が「詰まる(圧縮される)」
・左の椎間孔(神経の出口)が「狭くなりやすい」
・右側の筋や神経は「引き伸ばされやすい」
という変化が同時に起きます。なので痛みの出どころは大きく
・関節性(椎間関節)
・筋・筋膜性(過緊張やトリガーポイント)
・神経性(神経根・後枝・後頭神経など)
の3系統が候補になります。
2) 痛みの原因として多い「筋肉」(筋・筋膜性疼痛)
僧帽筋上部線維(Upper trapezius)
首〜肩上部の代表格。デスクワークや肩甲骨の固定が弱いと過緊張になりやすいです。
・特徴: 首を動かすと肩上部〜首すじがズキッ
・関連: 肩甲挙筋や胸鎖乳突筋とセットで硬くなりがち
肩甲挙筋(Levator scapulae)
頸椎(C1〜C4付近)から肩甲骨上角へ付く筋。首の回旋・伸展の組み合わせで張力が上がります。
・特徴: 首の横〜肩甲骨内側上部に刺すような痛み
・誘因: 猫背、肩がすくむ癖、ストレスで呼吸が浅い
頸板状筋・頭板状筋(Splenius cervicis/capitis)
首の後ろ外側にあり、回旋と伸展に強く関与。いわゆる「寝違え」でも関与しやすいです。
・特徴: 左の後頸部がつっぱる、動かすと痛い、押すと再現される
後頭下筋群(Suboccipital muscles)
頭とC1・C2をつなぐ小さな筋群。上を向く動きで短縮しやすく、眼精疲労や姿勢不良でも過緊張になりがち。
・特徴: 後頭部の重だるさ、頭痛っぽさ、首の付け根が詰まる感じ
胸鎖乳突筋(SCM)
前頸部の大きな筋で、回旋に関与。過緊張だと首の可動域をねじれた形で制限します。
・特徴: 首前〜耳周りの違和感、めまい感を伴う人もいる(個人差)
3) 「関節」が原因の痛み(椎間関節=Facet joint)
左回旋+伸展は **左の椎間関節を“閉じる(close)”**動きで、関節包(関節を包む袋)や滑膜が刺激されると痛みが出ます。
・疑いやすい所見:
・首を反らして回す動きでピンポイントに痛い
・同じ姿勢(上向き作業、スマホ見上げなど)で悪化
・押すと関節付近に圧痛、筋のこわばりが二次的に出る
・背景として多いもの: いわゆる頸椎症(加齢変化)、姿勢不良による局所負荷、急な運動
※椎間関節由来の痛みは、周囲筋(板状筋・多裂筋など)が防御性に固くなって「筋肉の痛み」にも見えるので混ざりやすいです。
4) 「神経」が関係する痛み(神経根・末梢神経)
神経根(頸椎の神経:C5〜C8など)と椎間孔狭窄
伸展+回旋で椎間孔が狭くなると、神経根が刺激されやすくなります。
・特徴: 首だけでなく、肩〜腕〜指にかけての放散痛、しびれ、感覚低下、力が入りにくい
・注意点: 片側の腕症状があるなら“筋肉だけ”と決めつけない方が安全
後枝(dorsal ramus)と後頭神経(大後頭神経など)
首の後方の皮膚感覚を担当する神経が、筋(特に後頭下筋群)や関節周囲で刺激されると、後頭部痛や頭皮のピリピリ感が出ることがあります。
・特徴: 後頭部〜側頭部に響く、頭皮が過敏、押すと放散する
5) もう一段深い原因候補(頻度は様々)
・椎間板由来(ディスク): 前屈で悪化しやすい傾向があるが、ケースにより伸展でも痛む
・第一肋骨・斜角筋周囲: 首〜鎖骨周りの詰まり、腕のしびれが絡むと鑑別に入る
・顎関節/咀嚼筋の影響: 噛みしめ癖で胸鎖乳突筋や後頭下筋が過緊張になり、首が回りにくくなる
6) 受診や相談を急いだ方がいいサイン(安全のため)
次がある場合は、整体・セルフケアより先に医療機関で相談が無難です。
・腕や手のしびれ、筋力低下、細かい作業がしづらい
・歩きにくい、ふらつく、排尿排便の異常など神経症状
・発熱、原因不明の体重減少、安静でも強い痛み
・転倒や事故後の首痛
・痛みが増悪し続ける、夜間痛が強い
7) 投稿に入れると伝わりやすい「まとめ」
・左回旋+伸展で痛い=左の椎間関節の圧縮、椎間孔の狭小化、筋の過緊張が重なりやすい
・筋肉なら「肩甲挙筋、板状筋、僧帽筋上部、後頭下筋群、胸鎖乳突筋」が代表的
・神経なら「頸神経根」「後頭神経」関連の可能性もある
・腕のしびれや筋力低下があるなら神経系の評価が重要
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