首の痛みって「首が悪いから首が痛い」と思いがちだけど、実はカギを握るのは 首の前側 にある筋肉かもしれません。とくに重要なのが、胸鎖乳突筋 と 舌骨下筋群。この2つはどちらも、首そのものだけじゃなく、鎖骨と胸骨(=首と体をつなぐ土台) と深く関わっていて、姿勢や呼吸のクセが乗ると一気にしんどくなります。
まず 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん) は、耳の後ろの骨(乳様突起)から、胸骨 と 鎖骨の内側 に伸びる“首の側面の太い筋”。片側だけ働くと「首を横に倒す+反対にひねる」、両側で働くと「首を前に倒す」動きに関わります。ここが問題なのは、スマホやPCで 頭が前に出た姿勢 が続くと、頭の重さ(ボウリング球くらいと言われる)を支えるために、胸鎖乳突筋がずっと働きっぱなしになりやすいこと。すると、首の上のほうは反り、下のほうは丸くなるような形で固まり、首の関節や周辺組織に負担が集まって「首が痛い」「振り向きにくい」「こめかみや耳の後ろが重い」みたいな症状につながります。
次に 舌骨下筋群(ぜっこつかきんぐん)。これは喉の下あたりで、舌骨(のどの骨)や喉頭を支える筋肉のグループで、胸骨舌骨筋・胸骨甲状筋・甲状舌骨筋・肩甲舌骨筋などが含まれます。ポイントは、胸骨舌骨筋や胸骨甲状筋が名前の通り 胸骨 とつながっていること。つまり、舌骨下筋群は「喉」と「胸(胸骨)」を結ぶベルトみたいな存在で、ここが硬くなると、首の前側が常に引っ張られて逃げ場がなくなります。結果として、首の痛みだけでなく「喉が詰まる感じ」「飲み込みにくいような違和感」「顎下が重い」「声が出しづらい」みたいな、“説明しづらい不快感”として出ることもあります(もちろん強い症状は医療的チェックが必要)。
じゃあ、なぜこの2つがセットで悪さをしやすいのか。答えは 鎖骨と胸骨の位置 にあります。鎖骨と胸骨は、首と体をつなぐ土台。ここが、猫背や巻き肩で「前に潰れる・上に持ち上がる」形になると、体はバランスを取るために首の前側の筋肉で支えようとします。さらに呼吸が浅い人は要注意。息を吸うたびに肩がすくむタイプだと、胸郭を広げる代わりに 胸鎖乳突筋や周辺の首の筋肉で“吸ってしまう” ことが起きやすく、首の前〜横がどんどん疲れて固まります。すると、舌骨下筋群も一緒に緊張し、喉〜首前面の張りが抜けなくなる、という流れが作られます。
セルフケアのコツは、「首を強く伸ばす」より先に、土台(鎖骨・胸骨)と呼吸 を整えること。まず試してほしいのは、鏡の前で軽く姿勢を起こして、息を吸ったときに 肩が上がらない呼吸 を練習すること。鼻から吸って、肋骨の下あたりが左右・後ろにもふくらむイメージ。肩がすくむなら、首の筋肉(胸鎖乳突筋)が手伝いすぎのサインです。次に、顎を強く引くのではなく、小さくうなずく ように顎を軽く引いて、首の後ろをスッと長くする感覚を作る。首の前側を硬く固めないのがポイントです。喉の違和感がある人は、唇を閉じて舌先を上顎につけるなど、口と舌の位置を整えるだけで首前面の緊張が下がることもあります。
最後に大事な注意点。首の痛みが、単なる筋肉疲労ではない場合もあります。
・しびれが強くなる
・手に力が入らない
・激しい頭痛やめまい
・発熱がある
・転倒や交通事故のあと
こういうときはセルフケアで粘らず、早めに医療機関で相談してください。
#首の痛み #胸鎖乳突筋 #舌骨下筋群 #鎖骨と胸骨 #スマホ首
