脊椎は、椎骨と呼ばれる骨が連結してできています。
腰椎とは、脊椎の下の方にあり、5個の椎体で構成された部分になります。
椎体と椎体の間には椎間板があります。
椎間板は、水分を沢山含んだゼリー状の髄核と、それを取り囲む線維輪と呼ばれる軟骨組織の二重構造になっており、腰椎に加わる圧力を分散させ、衝撃を和らげるクッションのような役割を果たしています。
しかし、加齢などによって髄核を取り巻く線維輪が弾力を失うと、小さな亀裂が入って、髄核の一部が外に飛び出します。
この押し出された髄核が神経を圧迫するため、腰に痛みが生じます。
この状態を放置していると、髄核がどんどん押し出されて、痛みやしびれがだんだん強くなっていきます。
腰椎椎間板ヘルニアは、高齢者よりも20代から40代にかけての比較的若い男性に多い病気です。
前かがみや中腰の姿勢を長時間続けたり、重たい物を急に持ち上げたりしたときなどに発症する危険性があります。
腰椎椎間板ヘルニアの症状には、急性型と慢性型があります。
急性型は、重たい物を急に持ち上げた時や、くしゃみをした時に起こるものです。
痛みが激しく歩くこともできなくなる場合もありますが、次第に症状は軽くなります。
しかし、そのまま放っておくと、さらに椎間板から髄核が押し出されて、神経を圧迫してしまうため、慢性的な痛みへと移行します。
どちらのタイプも腰の痛みのほかに、左右のどちらかの太ももから膝、足にかけて激しい痛みが起こる坐骨神経症を伴うケースが多いようです。
腰椎でヘルニアを起こしやすいのは、第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板と、第5腰椎と仙骨の間にある腰椎です。
背中を伸ばしている時や、寝ている時は痛みが楽になります。
反対に、背中を丸めたり、前かがみになったりすると神経が圧迫されて痛みやしびれが強くなるのが特徴です。