今回は、デスクワーク中に腕の痺れが出るという方の症例をご紹介します。
病院で頸椎の神経が通る「椎間孔が狭い」のが原因と診断され、それに沿ったリハビリを3週間受けたが変化はなかったとのことでした。
痺れは常にあるわけではなく、特定の姿勢でのみ現れるとのことでしたので、さっそく腕の痺れと頸椎の動きの関係性を検査してみました。
頸椎の神経が通る椎間孔は、首を前に倒すと開き、首を後ろに倒すと狭くなります。
この動きによって神経が圧迫されることがあります。
今回の患者様も、首を後ろに倒した際に右腕に痺れが確認され、病院の診断通り椎間孔に問題があると考えられました。
しかし、それだけでなく、腕を上げたり後ろに引いたりすることで痺れが確認されました。
強い圧迫があれば常に痺れが出るはずですが、そうではなかったため、首から肩にかけて神経を締め付けている筋膜があると判断しました。
実際に検査をしてみると、神経や血管を包んでいる頸動脈鞘はかなり固く、これは胸膜や他の筋膜の影響を受けていました。関連組織を解放した後に再度チェックを行ったところ、首を後ろに倒しても痺れは見られず、腕の動きでも痺れは消えていました。
治療後、数日間は組織が再び固くなることがありますが、継続して刺激を与えることで次第に痺れが出る間隔は広がり、最終的には消えていきます。これは、腕立て伏せを一日やっただけでは筋肉がつかないのと同じように、組織の変化にも時間がかかるためです。通常、2か月ほど継続的な治療が必要です。
もし痺れでお悩みの方がいらっしゃいましたら、放置せずに関節や筋膜の問題もチェックできる機関に行かれることをお勧めします。さいたま市南区、武蔵浦和にお住まいの方は、ぜひ一度当院の治療もお試しください。