筋膜リリースは、筋肉を覆う薄い組織膜である筋膜を柔らかくし、滑りを良くして解きほぐすことを指します。この方法により、筋肉の柔軟性を引き出し、関節の可動域を拡大することができます。
筋膜には様々な重要な役割があります。
各組織を包み込み、組織と組織の間に仕切りをつくり分けると同時に結びつけ、体の姿勢を保つ役割を持つ。
組織同士がこすれあうことで生じる摩擦から保護する。
筋膜は、筋線維を包んでいる3つ(筋外膜、筋周膜、筋内膜)に構成された構造から、筋線維の動きを支え、力の伝達を行う。
筋膜自身はコラーゲンでできており、85%が水分です。
水分の枯渇やストレス、同じ姿勢での長時間作業(パソコンやデスクワークなど)、筋肉の柔軟性の低下などにより、筋膜同士が癒着してしまい、筋肉自体の動きを阻害してしまいます。
筋膜は全身を覆っている組織です。
例えば、腰や背中に痛みやコリのある方は、おしりやふともも、股関節部位などの「痛みのある部分の周り」の筋膜をリリースすることによって、症状を改善することができます。肩などの痛みなども同様で、肩や首、腕やわきの下などの筋膜をリリースすることによって、改善することができます。
ご自身で行う筋膜リリースの具体的なやり方を幾つか紹介します。
以下の通りです:
背中や肩甲骨まわりの筋膜リリース:
腰の高さ程度の机の前に立ち、両手のひらを机につけます。
肩幅程度に広げましょう。
肩をリラックスさせた状態で、鼻から大きく息を吸い、吐く息で両足を後ろに歩かせます。
両手からお尻までがほぼ床と水平になるところまで両足を引いたら、視線を下に向け、背中を弓のようにしならせます。
肩がすくまないように注意しながら、呼吸を続け、数呼吸キープします。
脇の下の筋膜リリース:
左手を正面に伸ばし、手のひらは下に向けます。
右手の親指を左の脇の下に差し込み、親指以外の右手の指は背中側に回します。
ポーズに慣れてきたら、右手親指で脇の下を押してみましょう。指の腹で広背筋をほぐすイメージで行います。
右脇も同様に行います。
太ももの筋膜リリース:
外ももから刺激していきます。
膝を立てて、膝の外側にある“へこみ”を探します。
筋膜リリースは、継続的に行うことで効果が現れます。早く結果を出したいからと焦らず、地道に取り組んでいきましょう。