皆さんこんにちは!寺尾いのラボ整体院の渡邉です(^^)/今回も疲労についてのお話になります。今回はブログのタイトルにもある通り「疲労因子FF」にも触れていこうと思います。聞きなれない言葉でとっつきにくいかもしれませんが、皆さんの「疲労」を可視化できるすごい発見だったのです!
それではいきましょう!
身体の疲れでも脳疲労は起こる
実は、筋肉が疲れたと感じる時にも、実は脳疲労が起きているということが近年わかってきました。特に、自律神経の中枢と言われる視床下部が疲労していたのです。
余談ではありますが、これまで筋肉痛は“筋肉に乳酸が溜まることが原因”と言われてきました。この説は科学的根拠がないことが明らかとなっています。
ではなぜ、身体を使う時に脳疲労が起きるのでしょうか。運動をしている時のことを想像してみてください。運動を始めると、自律神経の働きにより数秒後には心拍数が上がり、呼吸が早くなり、やがて汗をかきます。
こうした症状はごく自然なのですが、すべて脳の中にある中枢(視床下部や前帯状回)がコントロールをしているのです。よって、身体を使う時であっても、視床下部は常に疲れやすくなると言えます。
こうした疲労によって発される疲労感という信号が、ドーパミンなどにより覆い隠されてしまうと、疲労が蓄積され、慢性的疲労に陥ってしまいます。もしも、覆い隠されている疲労を数値として知ることができればどうでしょうか。
疲労因子FFとは
2008年、東京慈恵医科大学ウイルス学講座の近藤一博教授の報告によると、徹夜で激しい運動をさせたマウスの臓器を調べたところ、あるタンパク質が通常の3~5倍、肝臓や心臓にいたっては10倍もの量が検出されました。このタンパク質こそが疲労因子FF(ファティーグ・ファクター)」でした。
疲労因子FFを元気なマウスに投与したところ、くるくると車輪を回していたマウスが、徐々に運動をしなくなり、疲れて動けなくなったということです。
この実験から示唆されたのは、疲労因子FFは疲れを引き起こす直接の原因であること、すなわち、疲れている状態だと身体に疲労因子FFがたくさん増えるというものでした。
疲労因子を誘発する活性酸素
最近の研究結果から、疲労の原因として「活性酸素」が注目されています。人間が活動すると、筋肉であっても脳であっても、酸素を用いてアデノシン三リン酸を作り出します。この結果として大量に産生されるのが、活性酸素です。
活性酸素は強力な酸化作用を持っているため、過度に発生すると生体防御の枠を超えて自身の細胞を酸化する恐れがあります。細胞が酸化することで機能不全に陥り、活動能力の衰退、疲労へとつながるのです。こうした活性酸素による細胞の酸化は、老廃物を産生しますが、その一種から誘発される物質が疲労因子FFです。
患者が自身の身体の状態を把握するできるように
この疲労因子FFの発見は非常に画期的なものでした。なぜなら、これまで曖昧な点が多かった疲労そのものを可視化し測定できるようになったからです。こうした客観的データを接骨院でも取り扱うことができれば、患者さまがご自身の身体の状態を可視化して把握しやすくなるのではないでしょうか。
※本記事中、意見・考察に亘る部分は、著者の個人的見解であり、著者が所属し、又は過去に所属したいかなる団体の意見等を代表するものではありません。
【参考文献】
近藤一博「疲労誘発因子と抗疲労因子:うつ病の疲労による誘発機構」2013:Japanese Journal of Biological Psychiatry ,24,(6)218-221
梶本修身巻頭インタビュー『解明されてきた 現代における「疲れ」の原因』2015:ヘルシスト(株式会社ヤクルト本社発行)
抗疲労臨床評価ガイドライン:日本疲労学会
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