皆さんこんにちは!寺尾いのラボ整体院の渡邉です(^^♪今回は前回に引き続き「仙腸関節」のお話です。仙腸関節に不調が起こるとどのような症状が起きてしまうのでしょうか?それではいきましょう!
女性・アスリートに多い仙腸関節障害
仙腸関節がずれたままだと負荷を吸収・緩和することができなくなるため、筋肉に余計なストレスがかかったり炎症が起きたり(仙腸関節炎)することで、腰痛・背部痛、全身の痛みやしびれを誘発する等の機能障害、つまり仙腸関節障害が生じます。仙腸関節障害により、身体の動きや可動域に制限・偏りがでると日常生活での支障を来たし、アスリートであればパフォーマンス低下の原因となりえます。
仙腸関節のカウンターニューテーションの状態が続くと、全体的に靭帯が常に緩みがちになるので関節の不適合が生じやすく、その場合、腰を後ろに反らす際に痛みが出ることがあります。逆に、ニューテーションの状態で仙腸関節障害が、腰を反らすことはできても腰を前に倒すと腰痛が起こる場合があります。
仙腸関節には侵害受容器が多く存在し、痛みを強く感じやすいと言われています。また、重要な神経が仙腸関節周辺を通っているので、仙腸関節炎や神経圧迫の影響を受けて、身体のさまざまな部位に関連痛が現れます。
例:股関節・臀部・腰部・鼠径部等の痛み、下肢のしびれ、短下肢・長下肢、など。
仙腸関節が原因とされる腰痛は、特にスポーツ選手に比較的多い症状であると言われています。サッカー、スケート、陸上のトラック競技などの選手は、片脚に体重負荷を加えることを繰り返すために障害が発症しやすいようです。スポーツをしていなくても、いつも同じ方で鞄を持つ、足を組む癖がある方も注意が必要です。
女性は出産に際して産道を拡げるために、リラキシンというホルモンの影響により仙腸関節の周りにある靭帯が緩みます。そのため、出産後に仙腸関節障害(特に腰痛)を訴える女性も少なくありません。
疼痛誘発テスト
仙腸関節障害を画像で診断することは病院でも非常に困難で、レントゲンやMRIで異常が認められることはほとんどないでしょう。そのため原因不明と判断されることも珍しくはありません。
また、仙腸関節障害による腰・下肢の不調は、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの症状とも似ているため注意が必要になります。
患者さまの不調が仙腸関節由来のものかどうかは、ワンフィンガーテスト(患者さまに痛む部分を指で示してもらう)や疼痛誘発テストによって検査することができます。疼痛誘発テストには、Newton(ニュートン)テスト、Gaenslen(ゲンスレン)テスト、Patrick(パトリック)テストなどありますが、いずれも仙腸関節に負荷を掛ける方法で、痛みが生じれば陽性となります。
今回はNewtonテストを取り上げてご紹介します。
・Newtonテスト(原法)
仙腸関節からくる腰痛かどうかを鑑別するテストです。方法としては3パターンあります。
①仰臥位(背臥位)の状態で骨盤を上から、左右に開くように押す。
②側臥位で骨盤を横から内側に押す。
③患者を腹臥位にして、仙骨を上から押さえる。
腹臥位における検査の際、仙骨中央でなく仙腸関節部に圧迫を加える方法もあります(Newtonテスト変法)。
仙腸関節のロック解除
仙腸関節に過剰な負荷がかかり続けると、仙腸関節が常にロックされた状態となり、いわゆる「慢性腰痛」の原因となりえます。そのため、まずは仙腸関節の「ロック解除」をしなければなりません。
仙腸関節は普段から負担がかかることから、瞬間的に力を加えると関節がロックされ動かなくなる一方で、一定の力を加え続けるとゆっくり動き出すという特徴もあります。
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