「半月板損傷とは?原因や症状、治療のポイント」
半月板とは、膝の関節にある軟骨組織で、太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨)の間に位置しています。膝には内側と外側に1つずつ存在し、体重を分散させたり、関節を安定させる役割を担っています。しかし、日常生活やスポーツによる負荷で半月板に傷がついた状態を「半月板損傷」と呼びます。
「半月板損傷の原因」
スポーツによる半月板損傷は、特にバスケットボールやサッカーなどでよく見られます。ジャンプの着地や急な方向転換が原因で、膝に強い負荷がかかり損傷することが多いです。さらに、半月板だけでなく周囲の靱帯も同時に損傷するケースがあり、重症化することもあります。
特に有名なのが、「不幸の3徴候」と呼ばれる膝のケガです。これは、膝が強くねじれた際に、内側半月板、前十字靭帯、内側側副靭帯が同時に損傷するもので、回復までに年単位の時間が必要になることもあります。
一方で、スポーツのような激しい動きをしていなくても、加齢により半月板が劣化し、日常生活の中で損傷することもあります。立ち上がりや歩行といった動作で少しずつ半月板が傷ついていくため、中高年にも注意が必要です。
「半月板損傷の症状」
半月板損傷は、多くの場合、痛みを伴います。損傷してからしばらく経つと膝が腫れることがあり、痛みや腫れが治まっても、膝を動かした際に引っ掛かり感を感じることがあります。また、膝の曲げ伸ばしで「コキッ」という音がしたり、膝がうまく動かせない症状も出ることがあります。
さらに、断裂した半月板が関節にはさまり、膝が全く動かなくなる「ロッキング」という状態になることも。運動後に関節が腫れたり、水がたまるといった症状もよく見られます。
「半月板損傷の予後」
通常、ケガをすると血液が損傷部位に治癒物質を運び、自然治癒が進みます。しかし、半月板は血流が乏しいため、自然治癒が難しい組織です。そのため、適切な治療が重要になります。
また、半月板が持つ関節の安定化や衝撃吸収の機能が低下すると、膝の変形が将来的に進みやすくなるリスクがあります。直接の症状が治まったとしても、長期的なケアが必要です。
「まとめ」
半月板損傷は、日常生活やスポーツによって誰にでも起こり得るケガです。特に膝に違和感を感じたら、早期に専門家の診察を受けることが大切です。早めの対応が、将来の膝の健康を守る第一歩となります。