股関節痛
悪くなる原因と種類
股関節症には一次性と二次性があります。一次性の股関節症は、初老期以降に発症し、症状がゆっくり進みます。関節軟骨の細胞が老齢化してしっかりと働けなくなったため長い年月の間にできた小さい傷が積もり積もって補修が利かなくなって発症すると言われています。
しかし一次性は全体の12%であり、残りの88%は二次性の股関節症です。
二次性の股関節症には、先天性股関節症の原因の他に突発性大腿骨骨頭壊死症、関節リュウマチ、ステロイド剤による薬害、アルコール愛飲者(一日3合以上がなり易い)、放射線治療(腰腹部に放射線治療を受けた経験のある人)、交通事故や怪我等が原因として考えられます。
欧米では一時性が半数以上なのですが、日本人で問題なのは、先天性股関節脱臼や先天性蓋形成不全からおこる二次性股関節症です。
症状(三大症状)
股関節が悪い人の三大症状は痛み、動きの制限(股関節や膝、下肢)、動きの制限、間欠跛行(長く歩けない症状)です。
股関節は、体の中で一番大きな関節です。左右の太ももの付け根にあり、胴体と下肢をつないで、立つ、座る、歩くなど、あらゆる動作の要となっています。
股関節が痛むと行動に制限がかかるため、家の中に引きこもりがちになる人が、少なからずいます。痛みがひどければ夜も眠れず、さらに過度な鎮痛剤の服用により胃の調子を悪くする人がいます。下肢に負担がかかるので、腰痛やひざ痛のある人は、これらの症状を悪化させてしまうことがあります。
医療機関での治療
医療機関の治療の方法は、保存療法と手術療法に分けられ、結論的に言うと最終的には手術を必要と考えています。しかし、変形性股関節症は必ず手術が必要というわけではありません。まずしっかりした保存的治療を行い、保存的治療が治療の基本と考えています。そのためにも医療機関での定期的なレントゲン写真を撮影し病状の経過を見ることが大切です。
先天性股関節症
日本人の場合は、股関節の悪くなる人の約9割が先天性股関節症であり、そのうちの約9割が女性であると言われています。そのうちの約9割が先天性股関節脱臼や先天性臼蓋形成不全という遺伝的な要因で発症しています。
変形性股関節症の引き金となる先天性股関節脱臼や先天性臼蓋形成不全は、大腿骨頭を支える臼蓋が生まれつき浅いために、軟骨がすり減りやすくなるものです。
臼蓋形成不全があっても若い時は軟骨が元気で関節にかかる負担を受け止められるため、症状はほとんど出ない人が多いです。
しかし、年齢とともに軟骨が痛み、40~50歳台になると痛みが出る人が多くなります。外科手術が必要になってくる人が増えてきます。
特発性大腿骨頭壊死症
特発性大腿骨頭壊死症という病気は、原因はいまだに明らかにされていませんが、大腿骨頭の血流が何らかの原因で障害されて骨が死に、だんだんと大腿骨がくずれて変形し、やがて二次性変形性股関節症となる病気です。増加している患者さんの中にステロイド剤による治療を受けている人や、下腹部に放射線治療後に発生する大腿骨頭壊死などは、二次性あるいは症候性大腿骨頭壊死症と呼ばれています。
他には患者の中でアルコール愛飲者(日本酒に換算して毎日3合以上飲んでいる人)が突発性大腿骨頭壊死症を患っていると統計に出ています。また関節リュウマチの患者や交通事故、不慮の事故などが原因で起こる場合があります。
症状は、確定診断を受けるまでに、坐骨神経痛や腰椎椎間板ヘルニアと診断されることが少なくありません。中には膝に痛みが出てひざの手術を受けた方もいます。
股関節の運動
股関節の運動は三つの軸を中心として行われる。その軸を中心として屈曲、伸展、内転、外転、内旋、外旋運動とその複合運動として文回し運動が股関節の周囲の筋肉が働くことによって行われます。
カイロプラクティックは、まず股関節の屈曲、伸展、内転、外転、内旋、外旋の6方向の可動性検査して、股関節の動きの悪いフィクセーション(可動性減少)や股関節の動きの良すぎる(可動性亢進)などの関節異常な個所を見出します。
これらの関節異常が、走行時の股関節の痛みや違和感、股関節の不安定化の原因となり、骨盤や腰椎にも影響し、腰痛や背部痛、肩こり、骨盤内臓器の機能障害となり、また下肢、特に膝関節機能に影響し、膝関節痛、膝関節運動域減少、膝の腫脹の原因になることがあります。
当サロンの股関節治療に対する考え方
股関節痛で悩んでいる患者さんは、まず医療機関でレントゲンやMRIなどの検査を受けて自分の股関節の状態を知っていただくことが大切だと思います。先天性股関節脱臼や先天性蓋形成不全の重篤な患者さんには専門の医療機関に治療をゆだねる場合もあります。
しかし軽症の股関節症や通常の腰痛や膝痛で来院した患者さんの中にも股関節の動きに異常を持った患者さんは多数いらっしゃいます。股関節の動きの異常を直すと腰痛や膝痛が良くなります。
当院の股関節治療
当サロンでのカイロプラクティックの検査及び治療は、可動性検査により股関節の屈曲、伸展、内転、外転、内旋、外旋の動きの悪い個所を見つけ、股関節の動きを良する治療を行っています。
股関節の悪い患者さんは、腰椎や膝にも問題を持っており、腰痛や膝痛を直すと股関節の動きが良くなる場合があります。また股関節の動きが良くなると腰痛や膝痛が良くなる場合があります。カイロプラクティックの治療は、腰椎、膝、股関節のみならず、胸椎や肩、頚椎といった体全体の治療をして体のバランスを良くする治療法です。
