アロマセラピーとは植物の花、葉、樹皮、種子から抽出された精油を使って、ホリスティックな観点から心身の不調を回復させてゆく自然療法です。その作用は、リラクゼーションやリフレッシュ効果を高めて病気の回復を促し、美容と健康を増進する役割があります。
1930年頃、フランスの調香師モーリス・ガットフォセが、自らの傷に精油を使って効能を体験したことから、芳香療法としてはじまりました。そのあと、イギリスに渡ってからは、精油を薬剤とするだけでなく香りも美容分野として使われるようになりました。そして美容法、健康法、リラクゼーションを目的とした現在のアロマテラピーの原型となっていきました。イギリスでは、アロマセラピーと呼ばれ、テラピーという呼び名はフランス由来です。
精油によるメカニズムは、アロマテラピーで心地よい香りをかぐことで、嗅(きゅう)神経を通って、脳に刺激が伝達されます。大脳辺縁系・視床下部の機能が整うことで、疲れが取れ、感情が癒やされて深いリラクゼーションの状態になるといわれています。その効果は、嗅覚(きゅうかく)器からだけでなく身体に塗ることで精油が皮膚に浸透し、治癒効果や保湿効果があるとされています。
ラベンダーといった強い芳香のものが、傷ややけどの治癒に使われることもあり、ガットフォセも、やけどの際に、ラベンダーの精油を使ったのがアロマの効能に気づくきっかけでした。
アロマテラピーはだれでも気軽に楽しめ、家でも常用性がある民間療法のひとつですが、使い方は専門の知識がないと危険な場合もあります。乳幼児や妊娠中、疾患のある人は、専門知識が必要となります。
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