ふだん何気なく行っている入浴。しかし、お湯の「温度」や「入浴時間」によって、カラダへの作用はかなり違ってくるといいます。体調や目的に応じて入浴法をアレンジする前に、まずは「基本の入浴」をマスターしましょう♪
編集部
入浴というと、あまりにも身近な存在なので改めて考えることは少ないですし、ほとんどの人はカラダを温めるために、日々何となくお湯に浸かっているような気がするのですが…。
石川さん
そうですね。これまで入浴について科学的に語られることもあまりなかったです。でも、お湯の温度を1~2度変えるだけでもカラダの反応は違ってきますし、肩まで浸かるか半身浴にするか、あるいは入浴時間によっても温まり方や疲労度は変わってくる。ひとくちに入浴といっても、入り方や効用はさまざまです。
編集部
おそらく人それぞれに「好みの入浴法」のようなものがあって、それを変えるのは意外とハードルが高いのかもしれませんね。熱いと感じる温度や長風呂だと思う時間にも個人差があるような気がします。入浴の仕方をアレンジする前に、「基本の入浴法」のようなものがあれば教えていただけませんか。
石川さん
まず入浴の3要素というものがありまして、それは「湯温」「湯量」「入浴時間」です。疲れにくいカラダを作るのに適した入浴法は、湯温39~40度、肩までお湯に浸かる全身浴で、入浴時間は15~20分。冬場は夏よりも少し熱めに温度設定をしてください。額にうっすらと汗が出てきたらカラダが温まったサインです。ここまででだいたい7分。そのまま10分ほど浸かるのが理想ですが、時間がなければここで上がってもいいですし、7分経ってカラダが温まったら半身浴に切り替えてもいいでしょう。
編集部
比較的ぬるめのお湯に長く浸かるという印象ですが、いわゆるカラスの行水的な熱いお湯にさっと浸かる入浴法では、カラダは温まらないのでしょうか。
石川さん
熱めのお湯に短時間浸かった場合、入浴直後は皮膚の表面温度が高いのですが、20~30分経つと、ぬるめのお湯に長時間浸かったときの方が温度が高かったという実験結果があります。つまり、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かる方が、カラダが芯まで温まって「湯冷めしにくい」ということなんです。
編集部
なるほど。確かにぬるいお湯にずっと浸かっていると、思いのほか汗をかいて、いつまでもカラダがポカポカしていることがあります。
石川さん
そうです、そうです。ちょっと専門的なことをいうと、心臓から送り出された血液はおよそ1分間かけて私たちの体内を一巡します。たとえば3分の入浴では3周しか血が巡りませんが、20分お湯に浸かればざっと20回、体内を温かい血液が循環する。よってカラダのすみずみまでしっかりと温まるというわけなんです。
編集部
熱いお湯では長くお風呂に浸かっていられませんから、「ぬるめのお湯」というのは、カラダを温める上でのひとつのポイントになるんですね。あと、湯量についてですが、やはりお湯をたっぷり張って、肩まで浸かった方がよいのでしょうか。一時期、ダイエットや美肌づくりにいいということで女性の間で半身浴が流行りましたが…。
石川さん
全身浴よりも水圧の影響を受けにくい半身浴は、本来は高血圧の方や心臓が弱い方向けの入浴法です。カラダへの負担は少ないものの、全身が温まるまでに時間がかかりますし、冬は肩が冷えやすい。長く浸かりたいときやひどく疲れている日を除いて、基本的には肩までしっかりと浸かった方がカラダは温まりますし、入浴による健康効果も得やすいです。最近の浴槽は浅いので、肩まで浸かるときは少し腰を前にずらして入るといいですね。
編集部
最近は夏だけではなく、冬でもシャワーのみという人が結構いるようですが、やはりお湯に浸かるとカラダの温まり方、ゆるみ方が違ってきますよね。
石川さん
はい、カラダを清潔にしたり、リフレッシュすることはできても、シャワーで血の巡りをよくしたりカラダを温めるのは難しいです。シャワー派の方も週に2~3回はお湯に浸かっていただいた方が、カラダは楽になると思いますよ。
編集部
ところで、先ほどお湯の温度や入浴時間を少し変えるだけで、カラダの反応が違ってくるというお話がありましたが、肩こりやメタボ、美肌など、それぞれに適した入浴法などもあるのでしょうか。
石川さん
もちろんありますよ。
(つづきます)
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