静かな時間を作って身体を感じてみると何処か緊張やコリを感じることが多い。多い・・というより何にも不具合を感じない人はほとんどいない。静かに自分の身体を味わっても不快感がなかったら、それなら本当に素直な身体と言えるかもしれない。
「身体の調子はいかがですか?」と尋ねるとまあまあですとか、特に大丈夫ですとかの返事が返ってくることがあるけど、素直な身体だったためしがない。実は一人も緊張のない素直な身体の人には出会ったことがない。当たり前のことですが、生きている限りどこか緊張させたりストレスを持っている。
元気な子供は身体を風のように感じている・・ほとんど身体を感じないで跳ね回っている。興味が湧けば身体ごと全力で集中するし、疲れたらそのまま居眠りしてしまう。身体に不具合を感じていない素直な身体を持つものは柔軟で集中力が高い、それなら子供がどこも緊張させていないかと云うとそうでもない。子供は不満や悔しさや恐れや寂しさやそれから希望で胸が張り裂けそうに生きている。彼らの人生は緊張のオンパレードでもある。それでも屈託なく笑えるのは、いつでも最大限に発散させることができるからだと思う。泣きじゃくったり喧嘩したりぐっすり眠ったり。
発散できないと直ぐに問題をおこす。親からの注目の度合いが足りない(愛情が足りない)ように感じて注目欲求が満たされないと寝小便をするようになることがあると聞いたことがある。下の子が生まれてから上の子が幼児帰りすることはよくあることで、これも注目欲求だが、それでもそうして発散してバランスをとって成長していく。あんまり欲求が満たされないと何処かを歪ませてバランスをとる・・身体に現れることがあっても不思議ではない、姿勢や顔つきにでる。そうしてなんとかバランスをとって生きている。つまり大人と同じなのだ。なので、子供に施術することがあるときは大人と同様に、身体の素直さをみる。エネルギーの素直な流れが起こればつっかえたり滞ったりすることがない。そしてそれは心地よい。子供たちは表現する言葉を持たなかったりするのでそれと気づかなかったりするけど、しばらくしてまたやってほしいと言ったりする。気持ちが良かったのだ。そしてそれを必要としている。子供だからと云ってほっといてよいと云うわけではない。