月日の経つのはあっという間ですね。
ついこないだまで夏だったのに、すっかり道には落ち葉が積もっています。
先日、あるWEBエッセイを読みました。
お祖母様とロンドン旅行をした女性の思い出が連載されたものでしたが、非常に面白く一気に読んでしまいました。
そのお祖母様は自信と自己肯定感にあふれ、初めてのロンドン旅行なのに「ロンドンの五つ星ホテル」に宿泊しても全く臆せず、頑固で、お孫さんである女性はお祖母様の最後かもしれない旅行での希望を叶えるために振り回される内容です。
なぜおばあちゃんはそんなに自信があるの。
と問うた女性に、自分が綺麗ではないと自覚していたから努力して努力して磨き上げてきたからだ、とお祖母様は答えます。
自分自身に時間をかけ、良いものを見極める目を育て、美しくなるために自分と向き合ってきたからだ、と。
その努力を放棄して、背を丸めて自分を卑下していたら自信なんて育つわけがないでしょう、と言われた女性はガーンと胸をえぐられます。
この一連のエッセイは「自己肯定感」という言葉が入ったタイトルです。
おばあちゃんとのロンドン旅行記ではないところがミソなのです。
二人はロンドンの五つ星ホテルのジュニアスイートに五泊七日で宿泊します。
お祖母様の息子さんたちがお金を出し合ってできる限りの贅沢をということで選んだホテル。
ジュニアスイートにはその部屋付きのバトラーがいます。
当たり前ですがそのホテルのスタッフの目配りや気配りが素晴らしい。
私は、女性とお祖母様の旅行記もさることながら、一流と呼ばれるホテルで働く一流の人たちの仕事に対する姿勢に感銘を受けました。
私のオランジュでの立ち振る舞いはどうだっただろうか、と自分を振り返るきっかけになりました。
そしてオランジュにいらしたお客様が、いっときの至福の時間を過ごしてお帰りいただけるように自分がどうすればいいのか、ようやく目標とするものが見えてきたように思います。
オランジュはほんの少しの時間、静かなホテルに身を置いたような充足感を味わっていただけるような場所になれば。
町田の小さなサロンに体と心をほどきにおいでになりませんか。