低気圧が身体の不調を引き起こす
山登りにビニール袋入りのスナック菓子など密封されたもの を持って行くと,頂上付近では袋がパンパンに膨張するという現 象を知っているでしょうか.山の頂上はふもとよりも気圧が低く, 袋をおさえつけている空気の圧力が弱まるために,袋が膨らむの です.これは私たちの身体も同様で,低気圧の中では身体全体が 膨張します.もちろんスナック菓子ほどわかりやすい変化ではあ りませんが,これにより私たちの体は確実に影響を受け,様々な症状を引き起こすのです.
例えば身体全体が膨張して浮腫(むくみ)が生じるために全身の倦怠感が起こったり,身体の中で 柔らかい部分―血管や関節包―などが膨張し,周囲の血管や神経を圧迫することで片頭痛や関節痛を 引き起こします.さらには細胞が膨張することでヒスタミンという化学物質が放出され,普段よりも 痛みに対し敏感な状態になります.また気管支喘息や関節リウマチなどの病気を抱えている方は,そ れらの症状が強くなるといったことも起こります.