「筋トレをすると寿命が伸びる」と聞くと、少し大げさに感じる方も多いかもしれません。しかし近年の研究では、筋力トレーニングが健康寿命の延伸に深く関わっていることが分かってきています。寿命そのものよりも、「元気に動ける期間」を延ばすという点で、筋トレは非常に重要な役割を果たします。
筋肉は体を動かすためだけのものではなく、血糖を取り込んだり、ホルモンの分泌を助けたりと、体の健康を支える大切な臓器の一つです。筋肉量が少ない人ほど、糖尿病や高血圧、心疾患などの生活習慣病のリスクが高く、死亡率も上がることが報告されています。特に加齢によって起こる筋肉量の低下(サルコペニア)は、転倒や骨折、要介護状態につながりやすく、寿命を縮める大きな原因となります。
筋トレを行うことで、基礎代謝が上がり、太りにくい体になります。また、血糖値や血圧の改善、動脈硬化の予防、骨密度の維持など、全身に良い影響をもたらします。これらの効果は生活習慣病の予防につながり、結果として病気で寝たきりになるリスクを下げることができます。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も健康には欠かせませんが、筋肉量を維持・向上させる効果は十分とは言えません。年齢を重ねても自分の足で歩き、日常生活を自立して送るためには、有酸素運動に加えて筋トレを行うことが重要です。実際に、週2回程度の筋トレを行っている人は、行っていない人に比べて死亡リスクが低いという研究結果もあります。
大切なのは、無理をせず継続することです。重すぎる重量や間違ったフォームはケガの原因になります。自分の体力や目的に合った筋トレを正しく行うことで、長く安全に運動を続けることができます。
筋トレは直接寿命を伸ばす魔法ではありません。しかし、病気になりにくく、いつまでも動ける体を作ることで、健康寿命を確実に延ばしてくれます。今日始めた筋トレが、未来の自分の体を支える大きな財産になるのです。
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