
突然ですが―――「腰痛って何ですか?」と聞かれたら
多くの人がこう答えるでしょう。
・「腰の筋肉が固まっているから痛いんです」
・「骨や椎間板が悪くなっているから痛いんです」
確かにそれも一理あります。
でも、こんな疑問を持ったことはありませんか?
➡レントゲンやMRIで異常があっても、痛みがない人がいるのはなぜ?
➡異常がほとんどないのに、強い痛みに悩まされる人がいるのはなぜ?
実はここに、腰痛の本当の原因が隠されています。
〇腰痛の根本原因は「腰の不安定さ」
腰痛の多くは「腰椎や骨盤の安定性」が失われることで起こります。
ただし、“不安定”といっても人によって違います。
・長時間座っていると痛む人
・朝起き上がるときに痛む人
・前かがみや物を持ち上げるときに痛む人
同じ「腰痛」でも、痛みが出るタイミングや部位が違うのはこのためです。
〇腰を安定させる仕組み
腰の安定は、骨や関節だけでは保てません。
以下のバランスが崩れることで「不安定さ」が生まれます。
・腹筋・背筋・骨盤底筋などインナーマッスルの働き
・股関節や仙腸関節、胸椎の動き
・呼吸や姿勢の癖
・筋膜や靭帯の柔軟性
これらが正しく働いていれば、腰椎や骨盤に余計な負担はかかりません。
逆に、どれかが崩れると腰が不安定になり、筋肉が過剰に緊張したり、神経が刺激されたりして痛みが出ます。
〇体が行う「補正」と「悪循環」
不安定さを補おうとして体は自然に反応します。
➡筋肉を固めて支えようとする(慢性的なコリや張り)
➡反り腰や猫背などの姿勢でバランスをとる
しかし、この補正が長く続くと逆に負担が増え、腰痛が慢性化してしまいます。
つまり「痛みを感じていないから大丈夫」と放置すると、さらに悪循環に陥る可能性があります。
〇医療的アプローチとその限界
・痛み止めや湿布 → 一時的に痛みを和らげる
・ブロック注射 → 神経の炎症を抑える
・手術 → 椎間板ヘルニアやすべり症などの重度の症例で有効
もちろん、これらは重要な治療法です。
ただし、多くの腰痛は「不安定さの改善」までは扱いきれません。
そのため、再発を繰り返してしまうのです。
〇腰痛改善の近道
大切なのは、「どの動きや姿勢で腰が不安定になっているのか」を明確にすることです。
そして、その原因を取り除き、腰が自然に安定できるように整えていくこと。
例えば、
・股関節や胸椎の動きを出すエクササイズ
・インナーマッスルを目覚めさせる呼吸法
・日常の姿勢や動き方の修正
これらを組み合わせることで、「その場しのぎ」ではなく「再発しにくい腰」をつくることができます。
〇まとめ
腰痛の根本原因は「腰の不安定さ」にあります。
だからこそ、画像検査や一時的な対処だけでなく、安定性を取り戻す視点が欠かせません。
「もう歳だから仕方ない」ではなく、
正しい原因を見つけて、痛みに振り回されない日常を取り戻しましょう。
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