深呼吸というと心を落ち着かせたり、呼吸を整えるイメージがあるかと思いますが
最近の研究ではちょっとこの常識が変わりそうになっています。
大きく息を吸う、大きく息を吐くという意識的呼吸は交感神経を急激に刺激する
スイッチとなっており心拍数や血圧が上昇しリラックスするどころか
かえって身体が興奮状態陥ってしまうという報告がされているそうです。
たくさん酸素を吸うことは一見身体中に酸素が行き渡り
体に良さそうなイメージがあるかと思いますが、
二酸化炭素濃度が正常値の80%以下になると酸素の供給効率が
30%以上も低下することが日本生物物理学会により実証されています。
酸素の供給効率が悪いと何が良くないのか?
エネルギー不足→細胞に酸素が届かず、エネルギー(ATP)を十分に作れず疲れやすくなります。
思考力の低下→全身の酸素の20%を消費する脳は、この影響を最も受けやすく
酸欠状態により集中力、記憶力が低下します
自律神経の乱れ→身体が酸欠状態になるとそれに対応するために交感神経が優位になります
二酸化炭素濃度が低く使い切れなかった酸素は細胞を傷つけ
老化を促進する「活性酸素」に変わってしまうリスクがあります。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の大規模な研究でも、
喘息や慢性疲労症候群の患者に対して、
呼吸量を穏やかに抑えて体内の二酸化炭素耐性(二酸化炭素を保持する能力)を
高めるアプローチが非常に効果的であることが示されています。
では、どういう呼吸が酸素供給効率が良い呼吸でしょうか?
その呼吸法を以下に紹介します。
1.鼻から息を軽く吸う→胸が軽く膨らむ程度でたくさん吸おうとしないこと
2.吸った後息を止めず吐きたくなるまで待つ
3.鼻から少しずつ吐く→全てを吐き切ろうとはしないこと
4.1~3を繰り返す
ポイントは鼻から吸って鼻から吐くをゆっくり意識的に行います。
集中力を高めたい時や緊張することをイメージして
この呼吸を試してみて下さい。