肩を回すとゴリゴリ音が鳴るという訴えの方がたまにいらっしゃいます。
肩の関節はあらゆる方向に自由に動かせるよう「球関節」になっています。
股関節も同様に球関節になります。
球関節は大きな可動性を持っている反面、構造的には不安定で他の関節に
比べて脱臼しやすいという弱点を抱えています。
安定させる為に筋肉、腱、靭帯、関節包(関節を覆う結合組織)などが存在します。
筋肉や関節を日常的にあまり動かさない習慣で
以下に紹介する要因になっているケースがあります。
肩の音が鳴る主な3つの要因
1.筋肉や腱の摩擦音
筋肉は動かさないでいると硬いゴムのように柔軟性を失います。
硬くなってくると摩擦が起きやすくゴリゴリ音が鳴り出します。
2.関節周辺の「滑液包」というクッションの破裂音
滑液包は骨や筋肉、骨や骨同士が直接ぶつからないようにクッションの
役割をします。関節を動かした時に滑液包が強く圧縮されると
中に溶け込んだガスが気泡を形成し急速に潰れると「ポキッ」と音がします
3.肩甲骨と肋骨の接触音
肩甲骨が本来の位置にないと肋骨と接触しやすくなります。
正しい位置に戻すには肩甲骨を支える筋肉で過緊張(前鋸筋や小胸筋など)は緩め
使えていない筋肉(肩甲挙筋や菱形筋など)は強化し位置異常は調整をします。
肩を動かした時にゴリゴリ鳴っても痛みや可動制限がなければ心配する必要はありません。
意識的に大きく関節を動かす、全身運動をして筋肉の柔軟性を回復するなど
セルフケアをすることで将来的な肩のトラブルを予防できます。