先日、機会がありましてボトックス注射のセミナーを受けました。
ボトックスというと美容クリニックなどで行うしわ取りの施術のイメージが強いかとは思いますが、そうではなくて、脳卒中の後遺症の手足のつっぱり(痙縮)に対するボツリヌス療法ですね。食中毒の原因菌であるボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンというたんぱく質に筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があって、これを筋肉内に注射することで、手足の筋肉がやわらかくなって、動かしやすくなることで日常生活行動が行いやすくなったり、痛みがやわらいだり、介護の負担が軽くなったりというメリットがあります。
関節の動かしにくさ(可動域制限)の原因には、強直と拘縮というものがあります。正確な定義は置いておいてざっくり説明すると、強直というのは関節が固まって動かなくなってしまう事で、拘縮というのは関節は問題ないけれど周囲の軟部組織とか筋肉とかが線維化したり癒着したりして動かなくなることを言います。
医療的マッサージの保険適応基準が「麻痺や拘縮など医療上必要とするもの」となっているので、麻痺や拘縮を伴う疾患にり患していないと医療保険を使ってマッサージは受けられません。主治医の先生が不親切でマッサージの指示書を書いてくれないという相談を受けることが稀にあるのですが、疾患的に麻痺も拘縮も出ないなら、それはもう仕方のないことなんですね。
関節が拘縮してしまって動かなくなると、本人も家族も大変だと思います。関節を動かす時に痛みを伴うこともあるし、生活上の不便もあります。肩や肘が動かなくなってしまって着替えをさせるのも一苦労、無理に上着を着せようとして、袖を通す時に上腕骨が折れてしまったなんて事故が起こったりする事もあります。ほんの少しの関節の動きがあるだけでも全然違ったりするので、嫌がられながらも関節可動域運動などをするのですが、そういう運動の前にマッサージをしておくと、筋肉がやわらいで本人にとっても医療者にとってもwin-winだと思うんですが、時間的制約もあるので、なかなか実行できないことも多いのではないかと思います。
そうは言っても昔はボットックスとかなかったので、医療も日々進歩しますね。
#もみほぐし#指圧#指圧整体
rakurakudoh (らくらく堂)横浜店
神奈川県横浜市西区岡野1-12-10 Aiビル5階
