薔薇が綺麗な季節になりました。薔薇(バラ)という字もこう、読めるけど書くのは大変な部類ですね。
綺麗なバラにはトゲがありますが、詩人のリルケがこのバラのトゲに刺されて亡くなられたと言われていますね。実際にはバラのトゲには毒はなく、リルケは急性白血病で亡くなられたようです。バラのトゲは細く尖っているので、深く刺さって細菌が入り炎症を起こす事はままありそうですね。
そうは言ってもバラ科の果実の種には毒があるものが多いです。
アンズやウメやスモモやビワなどのバラ科サクラ属の植物の種子にある仁や、未熟な果実の葉や果肉には体内で分解されると非常に強い毒性を持つというアミグダリンなどのシアン化合物が含まれています。胃酸に反応して青酸ガスが出るんですけど、これが猛毒なんですね。
よく推理小説なんかで出てくる有名な致死毒である青酸カリもシアン化合物ですね。青酸カリは無臭ですが、胃酸に反応して青酸ガスになると、これが猛毒なんですが、アーモンドの臭いやら夾竹桃の臭いやらがするらしいです。死体の口を嗅いで「アーモンドの臭い、これは青酸カリ!」とかやってるアニメとかドラマとかありますけど、猛毒なんだからそんな真似はしてはいけません。
アーモンドには毒性はありませんが、夾竹桃もオレアンドリンという強力な有毒成分が含まれています。燃やして出た煙にも毒の成分が残るようです。
アーモンドもバラ科サクラ属ですが、昔の人が山や森に入り、木の実を拾って集めてそれを食べて、毒のない、お腹を壊さない、食べられる木の実を見つけて、栽培して、そういう営みがあって、今、アーモンドを美味しく食べることができているんだと思うと、感慨深くなりますね。