高知の人間でしたら、梅花黄蓮(バイカオウレン)の名前を1度は耳にしたことがあるかもしれません。高知・佐川町が生んだ偉大な植物学者、牧野富太郎博士がこよなく愛した草花なのです。今回の撮影場所は佐川町の奥の土居(牧野公園)です。
大寒過ぎてまだまだ寒さが厳しい中、ひっそり可憐に咲く花です。今年はずいぶん早く咲いたそうで、実は去年末より咲き始めたと言う情報もありました。春になる一歩手前に咲く草花、開花時期をあえて早く早く持ってくるのは冬に樹木が葉を落としている間、地表まで日が差してくる光を利用したいがためだと思います。
このような植物を、春の妖精、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral)と呼んでいるそうです。エフェメラル Ephemeral は英語で儚いとか、蜉蝣(カゲロウ)、短命の、という意味があるようです。儚いものを愛でる、日本人の持つ「もののあわれ」と案外似ているのかもしれません。森の妖精