「季節の変化や体調によって肌の乾燥を感じる」という悩みを持つ人は、多いのではないでしょうか?肌の乾燥は「美容の大敵」であるだけでなく、不快感から肌をかきこわしてしまい、肌のバリア機能の低下を招くおそれもあります。乾燥した肌がどのような状態になっているかを知り、その原因と対策について学んでいきましょう。肌がカサカサしているときは、キメが整っていないように見えたり、白っぽく見えたりしますね。違和感があり、ついかきこわしてしまうことも。この時、肌はどのような状態になっているのでしょうか。
肌が乾燥すると、表面にある角質がこすれてめくれ上がります。すると、肌のバリア機能が衰え、角質細胞同士の隙間から水分が蒸発してカサカサになるだけでなく、外部からも刺激を受けやすい状態になってしまいます。このような状態の肌が「乾燥肌」です。
☆肌が乾燥する原因
①肌は外気の影響を受けやすいため、季節が変わると肌トラブルが起こることも。特に空気が乾燥する冬は、いつもは健康な肌でもカサカサの状態になりやすくなっています。室内のエアコンも、乾燥を引き起こす原因に。
②過労やストレスは、自律神経の失調を招きます。それにより血行が悪くなったり、腸の働きが低下したりして、肌のトラブルを引き起こします。また、ホルモンのバランスも崩れるため、ターンオーバー(肌の代謝サイクル)にも影響をおよぼします。
③偏った食生活も、乾燥肌の1つの原因と考えられています。肌に良い「必須脂肪酸」や「カロテン(ビタミンA前駆体)」などの栄養素が不足することも、肌トラブルの原因となります。
④入浴後20〜30分たつと、肌は入浴前より乾いた「過乾燥」状態になってしまいます。入浴後の過乾燥には、入浴時の大きなリスク「洗うリスク」と「つかるリスク」が関係しています。
☆日常生活で注意したいポイント
①冬場の暖房は必要不可欠ですが、肌にとっては大敵。エアコンを使うときは、風が肌に直接当たらないように気をつけましょう。また必要に応じて、加湿器を使う、洗濯物を室内に干すなどして、部屋の湿度が下がりすぎないような工夫をしましょう。
②仕事や家事の合間には休息をしっかり取って、疲れが積み重ならないようにしましょう。また、普段ストレスを抱えがちな方も、休日は仕事のことを忘れてゆっくり休む、気分を切り替えて趣味を楽しむなどして、ストレスを上手に発散しましょう。
③乾燥で肌がカサカサしているときは、「必須脂肪酸」や「カロテン(ビタミンA前駆体)」を多く含む食品を意識して食べましょう。必須脂肪酸は、からだの主要構成成分の1つで、これが不足すると肌がカサカサの状態になります。必須脂肪酸は、サバやイワシなど背の青い魚に多く含まれています。カロテンは、からだの中でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ作用を示します。カロテンは、かぼちゃやにんじんなどの緑黄色野菜などに含まれます。
④外からの刺激に敏感になっている乾燥肌にとっては、衣類による擦れがチクチク感、ムズムズ感の原因となることもあります。肌に直接触れる肌着やタオルなどは、やわらかい素材を選び、柔軟剤を使うなどして、肌への負担を減らしましょう。また、服についているタグが気になる場合には、肌に直接当たらないように工夫をしましょう。 ⑤入浴の最中にも、「肌のうるおい」はどんどん失われていきます。ボディソープやせっけんは、お肌にやさしく、うるおうタイプを選びましょう。肌にもっともやさしい洗い方は、ボディソープや石けんを十分に泡立ててから、その泡を手に取って手で洗う方法です。タオルやスポンジを使用する場合は、やわらかい素材を選び、ボディソープや石けんをもみ込むようにしてよく泡立ててから、なでるようにやさしく洗いましょう。 ⑥肌の乾燥がひどいと感じるときは、ぬるめのお湯に保湿剤を入れて入浴し、お風呂を出てから保湿成分を配合したクリームや乳液などでお肌を整えましょう。