ようやく市中にもエタノール初め、その代用品である次亜塩素酸水も手に入れやすくなってきました。ご来院の患者さんより「次亜塩素酸水はどちらがいいの?」と質問を受ける事がありました。
どちらも除菌効果はありますが、答えとしては現時点では断然にエタノールです、と答えています。
次亜塩素酸は確かに除菌の効果があるものですが、非常に安定性が悪いものです。紫外線が当たったり、温度の高いところに保存しておくとあっという間にその除菌効果はなくなります。自身も店頭で手にしてみますが、容器を手にして振ってみればチャポチャポと音がします。という事はすでに空気に触れている状態です。加えてスプレータイプなどではスプレーするたびに微量の空気が容器内に入っていきます。さらに、商品化されている容器が紫外線カットの素材を使っていないようであれば店頭に置いてある状態でもしかしたら除菌効果は薄らいでいる可能性があります。
さらに今のところ医薬品、医薬部外品として次亜塩素酸水は認められていないので、有毒性はないと思いますが、手指消毒のための製品としては考えられていないものです。次亜塩素酸水の消毒効果も極めて短時間なので手に吹きかけても、爪や手の深い溝などに潜むウイルスに働きかける前に皮膚表面の消毒で終わっている可能性があります。
エタノールがあればそれを、なくて代用品として次亜塩素酸水を購入する場合は保存方法や使用方法を考えてお使いいただくことがよろしいと思います。