重篤なお客様(40代女性)のご来院です。
玄関を開けて対峙したその姿は
夢も希望も見失い
喜怒哀楽の感情も見失い
生きるのは面倒くさいが死ぬのも面倒くさいので、ただ生きている
能面のように表情を失った女性
かつての私もブラック社長のおかげで陥ったゾンビ状態
こんな状態では優しく接したり励ましたりしたら逆効果なのは
私自身も経験あるので解り過ぎるくらい解りますとも
心を鬼にしてぶっきらぼうに接しましょう
問診票は判読不能な書きなぐり状態
カウンセリングは出来る状態ではなく
着替えは拒否
施術前の身体の状態確認も拒否
傍から見たら喧嘩しているようにしか見えない状態
血行を良くして頭がスッキリすれば好転するかもしれん
一縷の望みをかけて腋~胸を弛めましょう
が全身ガチガチに固まっていて
指で押すこともできなければ掌で圧すこともできません
根気よくさすっていきましょう
10分も経ったころ事態は急変
「え? なにこれ?」
「こんなに胸がすっきりしたのは何年ぶりだろ」
憑き物が落ちたように正気が戻りました。
喜びと戸惑いと羞恥が入り交じって軽いパニック状態です。
「いえいえ、私も経験したので良く解ります(キリッ」
「では着替えて初めからやり直しましょう(キリッ」
能面だった顔は笑顔で満ち溢れ
喜びの言葉が次から次へと溢れてきます。
あっという間に時間が過ぎて施術終了。
もともと整体を受ける気は無かったのですが
帰り道にふっと思い立って予約を入れたそうです。
当院が入っているマンションは転居の見学に来たことがあって
当院の存在も心の片隅に残っていたようです。
これは幸運の神様の思し召しだったのでしょう。