眠れない人 武彦さんの場合 後篇 (心境と身体)(2019年10月30日 17時12分) 回復力の整体

小松さんの一連の手技セッションを進めた際にも出会った状態ですが、頭に触れているとシーンと静まり返った感じがあって頭の中が止まってしまった感じがすることがあります。呼吸は規則正しくゆっくりとしたリズムで腹部が上下しています。このような時は頭の中の動きが戻って来るまで待ちます。たいていは暫くするとまた静かなリズムが戻ってくるものです。大杉さんは2時間半以上シーンとしたままでした。これはちょっと長いですね。目覚めた大杉さんは「なんだか少し寝たような気もするけど・・」と言って時計を見て、驚いて居られました。其れから3日間、夜もよく眠れるそうです。
身体の全体整体をしていて思うことなんですが、
◇ 肝心なことは、身体は部品の集まりではないので、あらゆる処があらゆる処の影響を受合っていると云うことです。言いかえれば、何処が傷んでも他の全てがフォローするように変化することで、身体は全体の健康を保とうとします。「歪み」は健康を保とうとする身体の対応状態と言えます。歪みが悪いと云うのでなく歪むことで全体を保っているのです。もちろん歪まなくて済むようになれば本当です。そのために出来ることはたくさんあります。
・日常生活を見直し、歪みを助長するような事をさける。・同時に歪みが改善できるように体操や運動など筋骨格の調整に取り組む。・食事や栄養改善に注意をはらう。などなど誰でも思いつきますね。それがどうしたら出来るか、具体的には試してみないと分からないことが多いと思いますが、兎も角やってみないままでは進まないでしょう。この点も当院では一緒に考えて行きます。
◇ さらに大切な事の一つは、日々の考え方や感じ方に注意を向けることです。身体が柔軟にエネルギーに充ちて行くことと日常の私たち自身の感じ方や考え方には深い繋がりがあると当院では捉えています。
別の表現をすると、心境を整える、ことです。どんな心境で生きたいかは個人の自由です。ただ心境と身体は深く関連すると云う点を覚えておきたいのです。
施術していて思うのですが・・。それぞれの身体つきはその人らしさと自然にリンクしているわけです。その人らしい生き方を思い切り楽しんで欲しいと願いながら施術するのですが、・・
どんな心境が良いかは人それぞれの自由だとしても、自分が今どんな心境か、その現
在進行形の心境に、自分自身が気づいているかどうか・・。前ばかりしか見えないで後ろや回りの様子が見えないような体勢で居る時は、自分の中に現れている心境に、うっかり呑みこまれてしまって、我を忘れて暴走してしまうと云うことがあります。忘れて・・、本当は望まない心境に気持ちが呑まれてしまって、それが身体を壊していることがあります。身体が壊れても、その現在の心境が本当に望んでいる心境で、それで良ければそれでも良いかもしれませんが、身体が安定したバランスを失っている時は、往々にして、今の心境が本当に望んでいるそれかどうかを顧みる余裕がないことが多いように思えます。身体のバランスと心境の余裕は相関的で、心境が身体を壊す事もあれば身体が心境を支えることもある・・。