お腹が冷えるという経験はありますか?
一般的に、お腹の周辺の温度は36℃前後であるのに対して、手の温度は27℃前後と言われています。そのため、手をお腹に当てて、お腹が冷えていると感じた場合、または、手とお腹の温度差がない場合は、お腹の冷えている証拠です。また、おしっこが近い、膀胱炎になりやすいなどの排尿トラブル、便秘や下痢などの排便トラブル、さらには月経時のトラブルなどがある場合も、お腹の冷えを自覚していなくてもお腹が冷えているかもしれません。
そこで、今回はお腹の冷えについて考えてみたいと思います。
2.お腹が冷える原因
お腹が冷える理由は様々です。
一般的にお腹の冷えは内臓の冷えが原因と考えられています。特にお臍を中心に、お腹の周りには腸や膀胱、女性では卵巣や子宮などが存在していることから、これらの臓器の活動状態を反映している可能性があります。また、「お腹を出して寝てしまった」というように、お腹を冷やすような環境にいたこともその原因の1つです。
特に内臓の冷えは、下痢や便秘などの消化器系の病気、膀胱炎などの泌尿器系の病気、さらにはPMS(月経前症候群)や生理痛などの生殖器系の病気に発展したり、関連していることもあるため、適切な対策をとることが大切です。
では、何故内臓の活動が低下し、お腹が冷えるのでしょうか?その背景には、ストレスなどの緊張状態、食べ物や飲み物などの食習慣、運動習慣、環境要因など様々な要因が考えられます。特にストレスは、交感神経の活動が優位な状態を指しますが、内臓は一般的に副交感神経が優位なときに活動します。そのため、ストレス下では内臓血流が低下し、内臓の働きを抑制するとともに、お腹の冷えが現れると考えられています。
一方、ストレス以外でも内臓を冷やすことがあります。例えば、身体を冷やすような食材や飲み物は内臓を直接的に冷やすため、内臓の活動低下を招き、お腹が冷えることになります。さらに、その状態が長く続くと、内臓の血流を上げるために多くの血流を内臓に集めるために、結果としてお腹だけでなく、全身が冷えることになります。
また、お腹の周りには多くの筋肉が存在しますが、運動不足によりお腹の筋肉が硬くなると、血行が悪くなることで冷えるとともに、骨盤底筋群などの筋力低下は骨盤内臓器(膀胱・腸・子宮など)の機能低下を招くことにつながります。
このようにお腹の冷えは、ストレスや食習慣、運動習慣などの生活習慣と密接に関係しているのです。
3.お腹の冷えを解消するための方法
それでは、お腹の冷えを解消する方法についていくつか紹介してきます。
お腹の周りを温める
お腹が冷えている場合は、まずお腹の周りを温めることです。上腹部(お臍の上側)には胃などが、下腹部には腸や子宮・卵巣、膀胱などが存在しています。特におしっこが近い、便秘である、生理痛が強いなど、内臓の機能が低下していると思われる場合は、体温よりも高めの温度で温めるとよいでしょう。
なお、我々は、下腹部を温めることで、月経前の様々な症状(PMS)が改善することを報告しています。是非、一度試してみましょう。
身体を温める食事をとる
食物には身体を冷やす食べ物と温める食べ物があります。特に、夏が旬となる食べ物や、土の上になる食べ物、例えばナスやトマトのような瓜類は身体を冷やしやすい性質の食べ物です。
現代は季節に関係なく、野菜を買うことができます。そのため、お腹が冷えている場合は、いつが旬の食べ物か?、どこになるにかなどを考えながら、食材を選びましょう。
骨盤の周りの筋肉を鍛える
内臓機能、特に子宮・卵巣・腸、棒鋼などの機能が低下している場合は、骨盤周りの筋肉である骨盤底筋群を鍛えましょう。
骨盤底筋群の運動には、肛門に力を入れ、その状態を10秒くらい保つ運動を1日20-30回程度行うのが効果的です。