家族は、同じような遺伝的背景を持ちます。
また多くの場合、同じような生活環境の中で過ごします。
これらの要因は、家族に共通する疾患を見つける手掛かりになると医療者さん達が言われています。
親族間の疾患のパターンなどから、本人、家族、あるいは次の世代において、特定の疾患を発症するリスクが高まっているかどうかを判断するので予防にもつながるのです。
家族歴を知ることは、
自分自身の将来の病気の予防策につながります。
(例えば)
医療者は、特定のがんのリスクが高い人に対しては、
より早い年齢からのより頻繁な検診(マンモグラフィや大腸内視鏡検査など)を。
また、家族に疾患がある人には定期検診や検査を勧めることがあります。
さらに、健康的な食生活、定期的な運動、禁煙などライフスタイルの改善は、心臓病やその他の一般的な病気にかかるリスクの低下につながります。
遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC) 乳がん、卵巣がん 前立腺がん、膵臓がん、悪性黒色種など
リンチ症候群
(遺伝性非ポリポーシス大腸がん:HNPCC) 大腸がん 子宮体がん、卵巣がん、胃がん、小腸がん、卵巣がん、
腎盂 (じんう)・尿管がんなど
家族性大腸ポリポーシス
(家族性大腸腺腫症:FAP) 大腸がん 胃がん、十二指腸がん、デスモイド腫瘍など
多発性内分泌腫瘍症(MEN)1型 内分泌系の腫瘍 下垂体・膵臓ランゲルハンス島・副甲状腺腫瘍または過形成など
多発性内分泌腫瘍症(MEN)2型 内分泌系の腫瘍 甲状腺髄様がん、副甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫など
網膜芽細胞腫(RB) 眼のがん 骨肉腫、肉腫など
リー・フラウメニ症候群(LFS) 骨軟部肉腫 乳がん、急性白血病、脳腫瘍、副腎皮質腫瘍など
遺伝性黒色腫 皮膚がん 膵がんなど
フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病 脳腫瘍、腎臓がん 網膜血管腫、小脳・脳幹・脊髄の血管芽細胞腫、腎・膵・肝・副腎等ののう胞・腫瘍など
遺伝性乳頭状腎細胞がん(HPRC) 腎臓がん
ウィルムス腫瘍(腎芽腫)
腎芽細胞腫 肺がん、肝臓がん、
などお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんと親族に聞くことも大事です。