患者さんとの会話の中で最近も出てきたのですが自分の中でもまだ理解できていないなと思ったので調べてみました。
あなたはご存じですか?
まず前提として心療内科と精神科は異なる科です。
というのも心療内科は歴史的にみると内科から派生してきたからです。
日本心療内科学会の心療内科専門医の申請資格の要件に『日本内科学会認定内科医(あるいは総合内科専門医)の資格を有すること』が条件とあります。
つまり心療内科は内科であって精神科ではありません。
また心療内科の主な対象疾患は「心身症」です。
心身症とは 『身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。
ただし神経症(ノイローゼ)やうつ病、統合失調症などの精神障害に伴う身体症状は除外する。』 と日本心身医学会は定義しています。
つまり頭痛、高血圧、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、喘息、アトピー性皮膚炎などの内科疾患でその背景に心理社会的要因が密接に関与している場合が心療内科におけるどストライクと言えます。
ですので不安障害、強迫性障害、うつ病、統合失調症などは心療内科の対象疾患ではありません。
精神科の領域となります。
また、さらにややこしいのは心療内科ってよく標榜しているところがありますが「心療内科専門医」の目安は日本心身医学会か日本心療内科学会の名簿に記載されている医師なのですが 全国に日本心身医学会認定医は287名 (関東甲信越107名) 日本心療内科学会認定医は111名 (埼玉県0名) で案外少ないのです。
しかし厚生労働省のルールでは医師の診療経験がほぼ無くても標榜できます。 例えば精神科医が「皮膚科」「眼科」と標榜しても違反とはなりません。
あくまでも標榜は「診ますよ。」という案内にすぎないので専門性を保証しているわけではないとしています。
とまぁ話が散らかってしまいましたが『じゃあどっち行ったら良いの?』というご質問に対しては
・希死念慮や幻覚妄想があったら精神科
・腹痛、下痢、みぞおちの痛み、動悸などの身体症状が強かったら 心療内科専門医 。
心療内科専門医が近くになかったら近くの心療内科を標榜している内科の受診をしてください。
ただし資格が全てではないので専門医ではないからといってその分野に精通していないとは言い切れないというのが現状のようであくまで目安としてご活用ください。
そして精神領域は相性などもあるかと思いますのでまずは行ってみて先生との会話などから合うところを探してみてください。
またまた長くなってしまいましたが最後までご覧いただきありがとうございました。
最近体調を崩されてきている方が増えてきている印象がありますのでどうかご自愛ください
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