と呼ばれる主にDVによる支配が生み出すねじれた関係のことをいいます。
例えば暴力や酷い罰を与えられているにも関わらず被害者が加害者を拒絶せず、むしろ離れられない状況が続いてしまうという状態です。
事件化するようなカップルの関係でしばしばこの状況だったのかなと感じることが多々あります。
心理学では絶対的な権力者からの支配を受け続けることで被害者の自己評価が下がり自責の念が生まれ『自分が悪いんだ。』と刷り込まれ、加害者への精神的な依存が発生して加害者の顔色を常に伺うようになってしまうと言われています。
また加害者が時折見せる愛情表現や気づかいが予想された報酬よりも強く報酬系回路を刺激するため驚くほど強い感情的な結びつきが生まれるのです。
しかし、心理学だけでなく動物実験でも見られる傾向なのです。
ニューヨーク大学の研究でラットにペパーミントの匂いを嗅がせながら電気ショックを与えました。
ミントはラットにとって好きでも嫌いな匂いでもありませんが大人のラットはそれ以降ミントの匂いがするものに近づかなくなるのですが子どものラットはかえって近づくようになったのです。
それと同時に母ラットに甘える傾向も強くなりました。基本的に子ラットは常に母ラットに抱かれて安全な状態にあるので痛みを感じることはありません。もし痛みがあるとしたら要するに母ラットから与えられた虐待になります。
この実験の結果は虐待されるとかえって養育者を好きになることを示すと解釈したのです。
これは哺乳類全般にインストールされている自動プログラムではないのかとすら言われています。
就学前の幼児は養育者に絶対的な信頼を置いています。たとえ虐待されたとしてもめったに親を嫌うことはないばかりかさらに好意を示すことは珍しくないのです。
この影響は強烈で虐待された赤ちゃんは大人になっても虐待者の特徴(体臭など)を好きであり続けるようです。
これは愛情への渇望や憧憬的な心理ではなく無力な動物が養育者に愛着を示すことで生存する為の本能なのです。
そしてヒトの脳にこの自動プログラムが残存していることこそ自然淘汰で有効な手段だった証拠だと言われています。
でも虐待している側は自分の過ちに気づきづらいのです。
それは被害者が先程述べたように嫌いになるどころかますます依存してしまうことが一部関与しているのでしょう。
虐待されて育った脳は鬱になりやすいという悪影響がその後もあると言われています。
なかなか解決の糸口は見い出せませんが 人を支配したい人もそもそも人への依存心が強いのではないかと思います。
被害者のおかげでなんとか自分の立場や存在が成り立っていると言えるのかもしれません。
依存の対義語である自立とは『他の援助や支配を受けず、自分の力で判断したり身を立てたりすること(広辞苑)』とあります。
そういう意味では支配している人こそ何かに支配を受けており、助けが必要と言えるのかもしれません。 どちらか一方だけへのアプローチでは負の連鎖は断ち切れなさそうですね。
長文、乱文失礼しました。最後までご覧いただきありがとうございます。考えても答えはでなさそうなのでここらで一旦しめさせていただきます
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