胃の不調と夏バテとは
通常、人間の体は自律神経(交感神経と副交感神経)が、気温の上昇に応じて汗をかき、血管が拡がることで熱を逃がます。また、気温の低下に合わせて血管を縮めて熱を保つことで体温を一定に調節しています。
ところが夏の暑さや冷房などの影響で自律神経がオーバーワークになると、体温調節のバランスが乱れてさまざまな不調感を引き起こします。
これが夏バテの正体です。胃の場合は交感神経が強く働くことで血管が収縮して粘膜への血流量が減り、蠕動運動の低下や胃の粘膜を保護する粘液の分泌減少をもたらします。そのため胃の働きが全体的に低下し、食欲不振や胃もたれといった症状が引き起こされます。
食欲不振に効くツボ
1 中かん(月へんに完)
「そもそも食欲があんまりわかない…」といった方におすすめなのは「中かん(月へんに完)」です。食欲不振や胃腸が疲れているときによいとされるツボで、めぐりをスムーズに整えてくれます。楽しく食事できる状態にもっていきたい方は刺激してみてください。
「中かん(月へんに完)」の場所
場所は、おへそから指5本分ほど上です。おへそとみぞおちのほぼ中間地点にあり、食欲不振の方は押すと違和感があるかもしれません。押し方は、満腹時を避け、指でやさしく圧をかけるのがコツです。カイロやお灸であたためるだけでもよいでしょう。
2 足三里(あしさんり)
バテやすく、食欲が落ちやすい方は「足三里(あしさんり)」に目を向けてみてください。夏を乗り切るためのツボともいわれており、刺激すると食欲がわいてくると伝えられています。冷えやすく、おなかにトラブルを抱えやすい方もぜひ押してみましょう。
「足三里(あしさんり)」の場所
場所は、両膝のお皿の下周辺です。膝の外側にあるくぼみの、指4本分下にあるため探してみてください。四指で膝裏に手を入れる形にして、親指で刺激するのがおすすめです。よりしっかり押したい場合は、ゴルフボールを使って圧を加えても構いません。
3 胃兪(いゆ)
「胃のあたりを触るのは気持ち悪い…」「セルフで押す気力もない」といった場合は、背中にある「胃兪(いゆ)」を押してみましょう。胃周辺がどんより重い、かつ食欲が低下しているときに好適なツボで、めぐりをサポートしてくれるといわれています。
「胃兪(いゆ)」の場所
場所は、骨盤の上部からスタートして指5本分上です。背骨の左右、指2本分外の位置を目安にしてください。家族やパートナーに押してもらうなら、うつぶせになって親指で刺激してもらいましょう。こぶしを背中にまわすとセルフでも刺激できます。
