立ち上がれない原因は、脚の力だけではない
こんにちは。
岐阜県本巣市でStep Up整体院を運営している、高橋幹登です。
椅子から立ち上がることが難しくなると、多くの方はこう考えます。
「脚の筋力が弱くなったから」
「太ももを鍛えなければいけない」
「スクワットをすれば立てるようになるかもしれない」
もちろん、脚の力は立ち上がるために必要です。
しかし僕は、立ち上がれない理由を、脚の筋力だけで考えないことが大切だと思っています。
立ち上がる動作には、
足の置き方。
足首の動き。
身体を前へ運ぶこと。
股関節や膝の動き。
足で床を押すこと。
上半身を起こすこと。
倒れないためのバランス。
など、さまざまな働きが関係しています。
脚の力があっても、その力をうまく使える位置まで身体を運べなければ、立ち上がることは難しくなります。
立ち上がる前に、身体は前へ動いている
椅子から立ち上がる動作を、少し細かく見てみましょう。
座った状態から、いきなり真上へ立つわけではありません。
まず足を床につけます。
次に、身体を少し前へ運びます。
お尻が椅子から離れたあと、足で床を押しながら、身体を上へ起こしていきます。
つまり立ち上がるには、
前へ移動することと、上へ伸びること
の両方が必要です。
ところが、
「背筋をまっすぐにしたまま立たなければ」
「身体を前に倒すと腰に悪そう」
と考え、上半身を起こしたまま立とうとする方もいます。
そうすると、身体の重さが足の上へ十分に移動しません。
その状態で立とうとすれば、脚には大きな力が必要になります。
腕で椅子を強く押したり、勢いをつけたりしなければ立てないこともあります。
立ち上がりに必要なのは、脚力だけではありません。
力を使える場所まで、身体を移動させることも大切です。
足の位置が変わるだけで、立ちやすさが変わることがある
立ち上がるとき、足をどこに置いているでしょうか。
足が身体よりも大きく前に出ていると、立ち上がるときに身体を足の上まで運びにくくなります。
反対に、足を少し手前へ置くことで、身体の重さを足へ移しやすくなることがあります。
左右の足の位置が大きくずれていれば、片側に頼って立っている可能性もあります。
また、足の裏が床にしっかりついていなければ、床を押す感覚が分かりにくくなります。
立ち上がりに困っている方ほど、「脚を鍛えること」へ意識が向きやすいですが、その前に、
足が床についているか。
足を置く位置は遠すぎないか。
左右の足を使えているか。
を確認することが大切です。
足を置く位置は小さな違いに見えます。
しかし、身体を支える土台が変わるため、立ちやすさにも影響することがあります。
足首が動かないと、身体を前へ運びにくい
立ち上がるときには、足首が曲がり、すねが少し前へ移動します。
この動きがあることで、身体の重さを足の上へ運びやすくなります。
もし足首が曲がりにくければ、身体を前へ移動させることが難しくなる場合があります。
すると、
お尻が後ろに残る。
上半身を大きく前へ倒す。
かかとが浮く。
腕で身体を引き上げる。
腰を反らせて身体を起こす。
といった方法で補うことがあります。
実際に、脚の力がまったくないわけではなくても、足首の動きにくさによって、立ち上がりが難しく見えることがあります。
たとえば、かかとの下に少し高さをつくると、立ち上がりやすくなる方もいます。
これは、脚の筋力が急に強くなったわけではありません。
足首の条件が変わり、身体を足の上へ運びやすくなった可能性があります。
このように、立てないからといって、すぐに「脚が弱い」と決めつけることはできません。
身体を前へ運ぶことへの不安も関係する
立ち上がるためには、一時的に身体を前へ運ぶ必要があります。
しかし、転ぶことへの不安が強い方は、身体を前へ移すことを怖く感じる場合があります。
「前へ行ったら倒れそう」
「お尻が椅子から離れる瞬間が怖い」
「膝が崩れそう」
そのような不安があると、身体を後ろへ残したまま立とうとします。
すると、足へ重さを乗せられず、余計に立ちにくくなります。
この場合に必要なのは、単に筋力をつけることだけではありません。
手すりや机を使う。
椅子の高さを調整する。
誰かに見守ってもらう。
小さな前方移動から練習する。
など、安心して重心を移動できる環境をつくることも大切です。
身体は、不安を感じると力を出しにくくなることがあります。
だから、立ち上がりを見るときには、
身体の能力だけでなく、安心して動けているか
ということも確認する必要があります。
腕を使って立つことは、悪いことではない
立ち上がるとき、椅子の肘掛けや机を押して立つ方もいます。
その姿を見ると、
「腕を使わずに立たなければいけない」
「脚だけで立つのが正しい」
と思われることがあります。
しかし、腕を使うこと自体が悪いわけではありません。
身体の状態に合わせて、腕や手すりを使うことは、安全に立ち上がるための大切な方法です。
問題は、腕を使っていることではなく、
なぜ腕が必要なのか。
腕を使えば安心して立てるのか。
腕に頼りすぎて、足をほとんど使えていないのか。
を考えることです。
最初は腕を使いながら、足へ重さを乗せる練習をしてもよいと思います。
椅子を少し高くして、動きを確認する方法もあります。
安全な方法を使いながら、少しずつ足や身体全体を使える範囲を増やしていく。
それも立派な身体づくりです。
椅子の高さによって、必要な力は変わる
同じ人でも、椅子の高さによって立ちやすさは変わります。
高い椅子からは立てるけれど、低いソファからは立てない。
トイレからは立てるけれど、床からは難しい。
そのようなことは珍しくありません。
椅子が低くなるほど、股関節や膝を大きく曲げた状態から立つ必要があります。
身体を前へ移動させる量も増え、より大きな力やバランスが必要になります。
そのため、
「立てるか、立てないか」
だけで身体の能力を判断することはできません。
どの高さからなら立てるのか。
手を使えば立てるのか。
足の位置を変えるとどうなるのか。
ゆっくりならできるのか。
条件を変えながら確認することで、今使える力や、難しくなっている部分が見えやすくなります。
最初から一番低い椅子で練習する必要もありません。
立ちやすい高さから始め、少しずつ条件を変えていく方法もあります。
脚の力があっても、身体を起こせないことがある
お尻が椅子から離れたあとには、身体を上へ起こしていく必要があります。
このとき、脚で床を押す力だけでなく、股関節や身体の中心を使って、上半身を支える働きも必要です。
上半身を起こすことが苦手な方は、立ち上がったあとも身体が前へ倒れたままになることがあります。
反対に、「胸を張らなければ」と意識しすぎて、腰を強く反らせる方もいます。
大切なのは、腰だけで身体を起こすことではありません。
足で床を押しながら、身体全体が上へ伸びていくことです。
足元と上半身がつながることで、無理なく立ち上がりやすくなります。
だから立ち上がりを見るときには、
足だけではなく、
骨盤や上半身がどのように動いているか。
立ち上がったあとに身体を支えられるか。
まで確認する必要があります。
立ち上がったあとに安定できることも大切
椅子からお尻が離れれば、立ち上がりが完成するわけではありません。
立ったあとに、ふらつかずに姿勢を保つ必要があります。
立ち上がった瞬間にふらつく方は、立つ動作そのものを怖く感じるようになります。
すると、さらに腕へ頼ったり、勢いをつけたりすることがあります。
そのため、
立ったあとに足の裏で床を感じられるか。
身体を左右へ支えられるか。
目の前を見ながら姿勢を保てるか。
すぐに歩き出さず、一度安定できるか。
も大切です。
立ち上がりは、座った姿勢から立つ姿勢へ変わるだけではありません。
立ったあとに、次の行動へ移るための準備でもあります。
トイレから立ったあとに服を整える。
椅子から立ったあとに歩き出す。
ベッドから立ったあとに方向を変える。
実際の生活では、立った直後に次の動作が続きます。
だから、立つ瞬間だけでなく、その先の動きまで見る必要があります。
筋力運動が必要な場合もある
ここまで、立ち上がれない理由は脚力だけではないとお伝えしてきました。
だからといって、筋力運動が必要ないという意味ではありません。
脚の力が低下していれば、身体を支えるための運動が必要な場合もあります。
ただし、
筋力が不足しているのか。
力を出しやすい位置へ移動できていないのか。
足首や股関節が動きにくいのか。
不安によって身体を固めているのか。
環境が身体に合っていないのか。
によって、必要な対応は変わります。
立てない人に、ただスクワットの回数を増やせばよいとは限りません。
立ちやすい条件をつくり、実際に立つ動きを確認し、その中で必要な力を育てていくことが大切です。
立ち上がりは、生活の自立につながっている
立ち上がる動作は、一日の中で何度も行います。
ベッドから起きる。
食卓の椅子から立つ。
トイレから立つ。
車から降りる。
お風呂で立ち上がる。
立ち上がることが難しくなると、生活の多くの場面で誰かの助けが必要になります。
反対に、自分で立ち上がれるようになると、できることが大きく増えます。
自分でトイレへ行ける。
家の中を移動できる。
外出の準備ができる。
家事や趣味へ取り組める。
立ち上がる力は、単なる脚力ではありません。
自分の生活を自分で選ぶための力でもあります。
だから僕は、「何回スクワットができるか」だけではなく、
実際の生活で、どこから立てないのか。
立ったあとに何をしたいのか。
どのような環境なら安全にできるのか。
まで考えることを大切にしています。
自分の立ち上がりを、一度観察してみてください
普段、何気なく行っている立ち上がりを、一度ゆっくり確認してみてください。
足はどこに置いていますか。
足の裏は床についていますか。
身体を前へ動かせていますか。
腕をどのくらい使っていますか。
勢いをつけていますか。
立ったあとに、ふらついていませんか。
観察するだけでも、自分がどのような方法で立っているかに気づけます。
ただし、強い痛みやしびれ、急な筋力低下、転倒の危険がある場合は、無理に練習せず、医療機関や専門家へ相談することが大切です。
一人で難しい動作を繰り返す必要はありません。
安全な環境で、今できる方法から確認してください。
立てないからといって、脚が弱いと決めつけない
最後にお伝えしたいのは、
立ち上がれないという結果だけで、身体の可能性を決めないこと
です。
脚の力が足りない場合もあります。
しかし、
足の位置を変える。
椅子の高さを変える。
足首を使いやすくする。
身体を前へ運びやすくする。
腕や手すりを安全に使う。
立ったあとに安定する練習をする。
ことで、立ちやすさが変わる可能性もあります。
大切なのは、立てないことを責めることではありません。
どの条件なら立てるのかを、一緒に探すことです。
立ち上がりは、脚だけでつくられる動きではありません。
足元から上半身まで、身体全体が協力して生まれる動作です。
脚を鍛える前に、今の身体がどのように立とうとしているのか。
まずは、そこから見てみてください。
Step Up整体院の身体づくりについて
Step Up整体院では、「立てない=脚が弱い」と決めつけず、足の位置や足首の動き、身体の重心移動、上半身の使い方、立ったあとのバランスまで確認しています。
実際の椅子や生活環境も見据えながら、一人ひとりの状態に合わせて、施術やご自宅で取り組める運動、立ち上がり方をご提案しています。
立ち上がることがゴールではなく、そのあとに歩く、家事をする、外出するといった生活へつなげることを大切にしています。
Step Up整体院が大切にしている身体づくりや、初めての方へのご案内は、公式ホームページで詳しくご紹介しています。
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