長時間のデスクワークやスマートフォンの使用により、
「目の奥が重い」「鼻が詰まって呼吸が浅い」といった不調を訴える人が増えています。
一見、別々の症状のように感じられますが、実はどちらも
自律神経と血流の乱れが大きく関わっています。
自律神経は体温・血管の収縮・涙や鼻水の分泌などをコントロールする神経です。
この働きが乱れると、目では毛細血管の血流が滞り筋肉が酸欠状態になり、
鼻では粘膜の腫れや分泌異常が起こって鼻づまりを引き起こします。
眼精疲労はピント調整を行う毛様体筋の過緊張や、
目の周囲(眼輪筋・側頭筋など)の血行不良が主な原因です。
鍼灸では以下のツボを中心に刺激を行い、血流と神経反射を整えます。
攅竹(さんちく):眉頭の内側。眼精疲労・眼痛に有効。
太陽(たいよう):こめかみ。血行促進と目の充血緩和。
風池(ふうち)・天柱(てんちゅう):首の後ろ。自律神経を整える。
交感神経優位な状態を副交感神経優位に切り替えることで、
目の血管が開き、自然なリラックス状態を取り戻します。
鼻づまりへの鍼灸的アプローチ
鼻づまりは鼻粘膜の血管が拡張・うっ血して空気の通り道が狭くなる状態です。
この粘膜の血流は自律神経によって制御されており、
ストレスや体温変化で容易に乱れます。
鍼灸では、鼻周囲や顔面・手のツボを組み合わせて施術します。迎香(げいこう):小鼻の横。鼻の通りを良くする代表ツボ。
上星(じょうせい)・印堂(いんどう):額。鼻腔奥の血流改善に有効。
合谷(ごうこく):手の甲。全身の循環を整える万能ツボ。
頸部の交感神経節への反射刺激によって、
鼻腔内の過度な血管収縮を緩和し、呼吸がスムーズに。
日本東洋医学雑誌などでも効果が報告されています。
まとめ:自然治癒力を高め、呼吸と視界をクリアに
目の疲れや鼻づまりは、体が発する「めぐりの乱れ」のサインです。
鍼灸で神経・血流・筋緊張を整えることで、
体本来の自己回復力を引き出し、
薬に頼らず自然な改善を目指せます。
忙しい毎日や季節の変わり目に感じる不調を、
専門の鍼灸施術でリセットしてみてください